前回の記事(「命さえあればやり直せるはもう嘘かもしれない」の第1部)では、今や非正規雇用でさえも、スキルや経験年数が問われる「即戦力主義」が浸透していると説明しました。
言い換えれば、【未経験OK】なんて求人は、今はもうどこにも無いということです。
あったとしても、それは高確率でブラック企業です。
おかしな社会です。
現実がそうであるため、新卒や第二新卒で、非正規になってしまった人たちは正社員への道はおろか、一生非正規で暮らすという仕組みになってしまったのです。
地獄行きのレールが足元に見えませんか?
このことを具体例を用いて説明します。
あなたが新卒か第二新卒の20代前半で、例えば、非正規の中でも「派遣社員」になったとします。仮にOA事務職だとします。2015年の「労働派遣法」の改正で、同一の事業所における就業期間は【上限3年】となってしまいました。
となると、3年後の20代半ば(人によっては後半)にはまた転職をしないといけなくなるのです。
転職は原則、即戦力主義です。
非正規でスキルアップは難しい
ところで非正規での仕事で、十分なスキルアップは出来るのでしょうか。私の知る限り金融業界、特に証券、損保、生保の仕事については「例外的に」、経験に応じて知識も深まりますし「資格」も取れることがあります。しかし、それ以外の業界では、武器になるようなスキルを身につけることは不可能です。
ですから、中途採用にチャレンジしても正社員になることは不可能。「即戦力」というエベレスト級の壁が立ちはだかるのです。
ですからまた、非正規の道に戻るのです。しかし、今やそこでも即戦力の壁。加味されるのが、今は前職の職種・内容だけでなく【その業種や業界での】経験年数です。
雇用形態のみか職業さえ固定化される
非正規でも【未経験OK】の仕事は無いのですから、結局、望むと望むまいも、前職と同じOA事務という職種、しかも大概は前職と【同じ業種・業界】にしか就けないのです。それが一生続くのです。
ですから一生非正規というよりも、非正規になると「職業さえ固定化」されてしまうのです。
確かに「自己責任」かもしれません。
しかし、その一言だけで片付けるには、むごすぎやしませんか?
アルバイトでさえ未経験不可
ここからは、少し本論から離れます。
お急ぎの方は、「本当に新卒で正社員になるしか方法が無いのか」以降をお読みください。
さて話は変わりますが、非正規の職場は、35歳以上の女性の比率が高いです。
実際、非正規雇用者の年齢比率を見ると、男性の場合、35歳~64歳までの比率が20.5%であるのに対し、女性は48.3%とかなり高いです。
統計局ホームページ/統計Today No.97は以下のように指摘しています。
- 非正規雇用の男性の約5割は「世帯主」であり、うち約4割が65歳以上
- 非正規雇用の女性の約6割は「世帯主の配偶者」であり、うち約6割が35~54歳
ということで、もっと断定的にいえば、35歳以上の既婚者の割合が非常に高いのです。
ですから、同僚との話も、家族や子供の話になることが多いのです。
そこで最近よく聞くようになったのが、子供(=大学生など)が、なかなかアルバイトに就けないという相談というか「愚痴」です。
そうです。今やアルバイトも即戦力主義。【未経験はNG】のアルバイトが増えたようなのです。
「そもそも田舎でバイトの仕事がなかったから」など色々事情はあるようです。
しかし、真面目だった子や、田舎から上京してきた子が不利になるなんて、理不尽ではないでしょうか。
アルバイトの求人倍率も低し
しかも、アルバイトの求人倍率も以前より断然低いみたいです。
つまり、昔と違ってアルバイトでさえ、何社も受けないと働けないというのです。
さらにはアルバイトでも、経験年数などの即戦力による選別があるようなのです。
- アルバイトも即戦力主義?
- 若者がかわいそうです。
中年フリーターに属する私は、【当然かつ永遠に】未婚で、子供もいないですけど、今の親御さんとその子供、学生さんの苦境には同情せざるを得ません。
女子大生の風俗バイトが増加
さらにここ数年は、普通の女子大生が風俗業界でバイトをするケースが非常に増えてきたと指摘する記事も散見します。
[amazonjs asin="4022736372" locale="JP" title="女子大生風俗嬢 若者貧困大国・日本のリアル (朝日新書)"]
もしくは「風俗バイトは就活成功への近道!? 女子大生風俗嬢が急増した意外な理由とは | 日刊SPA!」などをご参照下さい。
【未経験でも高収入】
絶滅必至のフレーズですから、飛びつく気持ちも分からなくはありません。
そうした記事を完全に鵜呑みにできませんが、風俗バイトで授業料をまかなっているケースもあるみたいです(真偽は不明)。
本人の意向でやっているなら、それはそれで構わないでしょう。しかし親の経済事情のため、「親に迷惑を掛けたくないため」という理由でやっているのなら、親も子も本当に本当に可哀想でやりきれないです。
すべての女性が輝く社会なんて
でもこれが日本の「末端労働」の現実なのです。
「すべての女性が輝く社会」とはただの妄言です。
学生であっても不本意な労働をしていたら、その女性は輝いているんでしょうか?
もっと闇を見つめましょう。
経済的に苦しいのは分かります。
しかし、後で学生時代を振り返った時に、少しでも嫌な思いが残らないよう、「今」をできるだけ充実させる方向も検討してほしいのです。
若さは永遠に戻りません。老いるだけです。学生時代も一度だけです。
今の生き方を見つめ直してみましょう。何か救いはあるはずです。
いや、救いがあってほしいです。切にそう願います。
お金は後で返せる?時間は一生取り返せない
今や多くの国民が相対的な貧困に苦しんでいます。現に私大生の仕送り額は、ジェットコースタ-並に急降下しています。さらに追い打ちをかけるように、大学の授業料は上昇傾向にあります。
私が大学生だった頃はもう20年ぐらい前になりますが、たった20年でのこの変わりようには、大変驚いています。今の学生さんは本当に不憫でならないです。
とはいえ、金銭面が苦しいからといって、「ブラックバイト」や不本意な労働には手を出して欲しくはないのです。私はバラックバイトの経験はありません。当時はそんなもの自体ありませんでしたから。しかし、ブラック企業に正社員として働いた経験があるからこそ、言えます。
人を搾取する企業に関わったら、わずかな身銭以外何も残りません。マネー以外のものは全て台無しにされ、破壊されます。現在も未来のすべても。
かと言って、頼みの奨学金も日本の場合は、まだまだ給付型(無利子)ではなく、ほとんど有利子(図の緑部分、無利子奨学金の利用数は毎年ほぼ一定)。

奨学金貸与人員の推移 出展:奨学金事業の充実:文部科学省
求人倍率は復調しつつあるものの、まだ就職難の時代。
そういったこともあって、貸与型奨学金(有利子の奨学金)に対し、返済の不安を抱える学生は約8割にも至っているのです。
あまりにも悲惨過ぎて、何のアドバイスも出来ません。
小さいことの積み重ねが実を結ぶ
しかしながら、私も非正規のワーキングプア。
お金に困っています。
同じ貧困者としてなら何点かアドバイスは出来ます。
まずは固定費を見なおそう
固定費とは家賃、通信費など毎月決まった額で出ていく出費のことです。
学生さんにとって最も深刻なのが家賃でしょう。
家賃を下げる方法として、私は以下のものを提案したいと思います。
- 「ドミトリータイプ」のシェアハウスを利用
- 兄弟や親類縁者がいれば、同居する
- 都内へのこだわりを捨て埼玉県、千葉県の物件を探す
- 都内でも家賃相場が安い駅周辺の物件を探す
とにかく家賃を抑えよう
シェアハウスには個室タイプ(シングルルーム)とドミトリータイプの2つがあります。
文字通り、個室タイプは専用の個室を借りるタイプの契約です。一方、ドミトリータイプは、簡単にいえば、相部屋、複数人と一緒に一部屋を共有する契約です。
- 一人あたりの面積は相当狭くなる
- プライバシー問題
などのデメリットがありますが、ドミトリータイプにすれば、かなり安く部屋を借りられます。個室タイプの契約は、通常の賃貸契約とさほど大きな差は無いようです。
同様の理由で、兄弟ともに上京しているなら、別々に部屋を借りるのではなく、同居することで家賃は抑えられます。
「一人口は食えぬが二人口は食える」と昔から言われます。これは現代でも当てはまります。
東京23区民をあきらめる
学校が都内にあると、都内に住んだ方がアクセスが良い、定期代が安い、何かと便利と勘違いしてしまいます。
しかし、決して、そんなことはありません。
東京駅を中心とした電車通勤60分圏内のエリアは結構広く、範囲はさいたま市(図にはありませんが)や千葉市にも及んでいることがわかります。
また都内に住んでいると、確かに交通は便利なのですが、交通網の過剰発達によって、かえって乗り換えが多くなることも多いです。複数の鉄道事業者をまたぐと、定期代は結構高くなります。ですので東京都外から通うのと定期代がそんなに変わらないことも多いのです。
埼玉県、千葉県が狙い目
家賃は年々下降傾向にあります。しかし、一つだけ変わらないことがあります。それは東京だけ家賃が異常に高いということです。また神奈川もそれに次いで家賃が高いという傾向です。

出展:全国賃貸管理ビジネス協会| 2016 3月より一部抜粋
例えば、1部屋で見れば、東京都と埼玉県、千葉県では約1,600円弱の節約が可能です。
これを年に換算すると、16,000円×12ヶ月=192,000円もの節約になります。それが4年も続けば、大分家賃負担は少なくなります。
それに比べ、神奈川と東京では、家賃の差は11,000円程度にしかなりません。家賃を節約するなら埼玉か千葉です。
地方の中心都市はオールインワン
それでも、東京の方が発展していて便利だと思っている人も多いと思います。しかし、発展しているのは新宿、渋谷、池袋などのターミナル駅周辺や、銀座、原宿などの限定的な駅周辺。買い物などをするには、わざわざそこまで出かけないといけません。電車代、時間ともに結構無駄が生じています。
私は浦和駅に住んでいますが、徒歩圏内に伊勢丹もパルコもあります。中央図書館も充実していて、書籍代・CD代の節約にもなります。それだけでなく埼玉会館などの文化施設、駒場運動公園なども集約しているので、買い物やレジャーのためだけに都心に出ることはほとんどありません。何気にスーパー銭湯なんかもあったりします。
どうしても欲しいものがある場合はネット通販で済ませています。
浦和駅以外でも、地方の中心都市はオールインワン型の発展をしているので、何かをするためにわざわざ別の駅に出向くという「時間」と「お金の無駄」も節約できます。
それでも都内に住みたいなら
こうして考えると、学生の頃は、埼玉や千葉に住んで、稼げるようになってから都内や神奈川に引っ越す方が節約効果が高いはずです。
それでも、学生時代から都内に住みたいなら仕方ありません。その場合は、最新の「東京23区の家賃相場が安い駅ランキング!」などで、比較的家賃相場の低いところに住むしか節約方法はないでしょう。
この中でおすすめは久我山駅です。駅周辺は確かに多少学生街の雰囲気はありますが、ほんの少し離れると高級住宅地で、とても閑静です。割りと緑も多いです。
吉祥寺まで3駅。急行止まります。渋谷までは一本。新宿までも乗り換え一回。とても便利。なんで家賃相場が下がったのか不思議なくらいです。
※ちなみに私は元・久我山住民です。元住民の意見ですので信頼して下さい。
スマホはNifMoで決定
さて今度は通信費。特にスマホ代です。
節約するなら格安SIMも選択肢に入ります。しかし、格安SIMも10数社あって選ぶのが大変です。
ところが、音声通話料も安くできる会社は、たった4社5社だけです(あくまで現時点)。
この中で、楽天モバイルと、BIGLOBE SIM、IIJmioは、特に平日昼間のデータ通信速度が遅いので、論外です。
FREETELはまだ新興勢力なので、信頼度という点からするとまだオススメできません。
NifMoは平日昼間のデータ速度も安定しています。
しかも、NifMoでんわというサービスを使えば、国内通話かけ放題です。
※ただし、IP電話サービスなので、通話品質には若干不安あり。
安さを売りにするY!mobileの「スマホプラン M」は月額3,980円(税抜き)です。
1,080円もお得です。1,080円×12ヶ月=12,960円の節約です。しかもY!mobileは2年縛りがあります。一方NifMoの最低利用期間は半年です。
音声通話が多い学生さんには、NifMo以外の節約方法はないと思います。
※契約は自己責任。よく調べてから契約してください。
※昼間のデータ通信が激遅でも良ければ、楽天モバイル、BIGLOBE SIMもご検討ください。
奨学金破産を防げ
さて何で節約術にこんなに文量を割いたかというと、まだ経済が回復途上にあるせいか、奨学金の返済が困難な人が増加傾向にあるからです。最悪の場合、「奨学金破産」するケースもあるそうです。
日本の奨学金はほとんど有利子型、つまり借金型。2012年のデータですが、大学昼間部での奨学金利用者の割合は52.5%。しかし、無事に新卒で正社員になっても、未だに入社3年後離職率は30%台と高いのです。
ここで本論に戻ります。
入社3年以内に、離職しても、「新卒至上主義」と「即戦力主義」の日本では、正社員に復帰するのは無理でしょう。そこで、非正規の職に就いたら、相対的貧困の非正規地獄に落ちるのです。
奨学金破産が増えても仕方ありません。
そうしたリスクを減らすには、知恵を絞って節約し、できるだけ借りる奨学金(=借金)を減らすしかないのです。
4年間で100万円の節約は可能
もし行きたい学校が都内にあるのなら、私なら埼玉や千葉に住み、NifMoでスマホ代を削るという方法を取るでしょう。
この場合、東京と埼玉・千葉の家賃相場の差額=16,000円×12ヶ月=192,000円。
スマホ代の平均額を7,200円((ケータイ料金:1)平均月7200円 それ、割高かも:朝日新聞デジタル 参考)とすれば、NifMoでんわ3GB(2,900円)との差額は4,300円。
4,300円×12ヶ月=51,600円
合計で243,600円/年の節約になります。これが4年分と考えれば、974,400円と100万円近い節約ができるのです。その分、借りる有利子奨学金を減らす工夫ができるのです。
あくまでこれは家賃とスマホ代という固定費の一部分です。それでもこれだけ減らせるのですから、不況だからといって顔を下げないでください。節約術を駆使して下さい。そして、学生時代という二度と取り戻せない時間を謳歌して欲しいのです。
お金は後で返せるけど、時間だけはどうやっても取り戻せません。
「窮すれば変じ 変ずれば通ず」。追い込まれると意外とアイディアは浮かんできます。
本当に新卒で正社員になるしか方法が無いのか
さて上述の節約術を駆使し、不況下でも何とか学生生活を謳歌したとします。しかし、次はいよいよ就職という難関が立ちはだかります。
2015年時点でも正社員の有効求人倍率は0.75倍と1倍未満。
新卒の時点で、非正規になる人も少なくはないはずです。
また、入社3年後の離職率も大卒で30%台です。そこで、初めて非正規の道に入る人も多いでしょう。
若年フリーターは不本意型が少ない
しかし、若年フリーター(15~34歳)の場合、非正規雇用を選んだ理由は「自分の都合のよい時間帯に働きたいから」(男性:28.8%、左側・藤色部分)というものが一番多いのです。

労働力調査(詳細集計) 平成27年(2015年)平均(速報)結果より筆者作成 【男性版】非正規職員になった理由内訳
一方、中年フリーター(男性・35~54歳)の1番の理由は「正規の職員・従業員の仕事がないから」(40.0%)になります。
つまり中年フリーター(男性)は、「不本意で」非正規になった割合が非常に高いのです。他方、若年フリーターの「正規の職員・従業員の仕事がないから」は25.4%(男性)と中年フリーター(男性:40.0%)に比べれば低くなっています。

労働力調査(詳細集計) 平成27年(2015年)平均(速報)結果より筆者作成 【女性版】非正規職員になった理由内訳
このことからすると、若年層の場合、「不本意」とうよりは、自己都合や本人の意志で非正規になっている可能性が高いのです。自己都合や本人の意志ということなので、「夢」や「趣味」などのやりたいことに生きがいを求めているのかもしれません。
しかし、夢を実現できるのは、何億分の1の確率。「努力は必ず報われる」訳ではないという「真実」に気づいた頃は、中年フリーターになっているかもしれません。
しかし、そこで身を固めようと、転職を試みても、即戦力主義の壁にぶち当たり、失敗します。結局一生非正規で生涯を終えるのです。
26歳限界説
もし「夢」や「趣味」に生きがいを持っていて、それらを捨てずに、なおかつ、安定した職業に就きたいのなら、私は【26歳限界説】を提唱したいと思います。
つまり、夢ややりたいことを追いかけるなら、26歳まで。現代では、その割り切り方が一番リスクの少ない人生設計だということです。
転職は今や即戦力主義。それまで非正規で働いていた人が正社員になることは、絶対に無理です。試しにDODAに登録してみてください。速攻で「紹介できる求人がない」というメールが来ると思います。
では「夢」や「趣味」などの生きがいと仕事とのワーク・ライフ・バランスを保った働き方は無いかというとそうではありません。一つだけ方法があります。
それが地方公務員です。
試験に合格する以外道はない
非正規雇用者が、一生正社員になれない理由は、中途採用で即戦力主義で採用されているからです。

中途採用の採用基準 出展:「エン 人事のミカタ」アンケート 2014年の中途採用状況を報告
であれば、スキルの経験年数や職歴が重視されない方法で身を固めるしかありません。その方法は、「試験」しかありません。

画像出典:公務員への転職をお考えの方へ | 実務教育出版より一部抜粋
受験資格として「職歴:特に問わない」となっているところが重要です。とはいえ、地方公務員試験には概ね「21歳~29歳まで」の年齢制限があります。倍率はその年度や地方自治体ごとにバラつきがあるので断言できませんが、10倍程度だと思います。決して超難関ではありません。
3年は余裕を取るべき
しかし、公務員試験を狙っているのは、あなたと同じような若年フリーターだけではありません。学生時代から公務員試験の準備をしている人とも戦わなければなりません。
公務員試験の問題は、かなり独特です。一次の教養試験は、「どこが教養?」という首を捻りたくなるほど、難解です。
でも安心して下さい。教養問題には独特の解き方があります。それさえ身につければ、問題はありません。しかし、その解き方を習得するには何ヶ月もかかります。ですから、最初の1年で1次試験を通ることは不可能と覚悟した方が良いです。
本当の勝負は2年目、3年目です。
2年目で合格すれば幸運。2次の論文試験なども、十分な対策が必要。そう考えると、念のため、もう1年余裕は見たほうが良いです。
そこで「29歳-3歳」=「26歳限界説」が生まれるのです。
※ただし、30歳以上でも受験できる自治体もあり。事前調査の上、ご準備下さい。
地方公務員は最後のセーフティーネット
もちろん、国家公務員を目指すのも構いません。しかし、地方公務員と国家公務員では仕事量が全然違います。また国家公務員の場合は、全国規模での転勤もあります。
「夢」や「趣味」などのやりたいこととの両立は困難でしょう。
実は、私の姉夫婦が両方とも地方公務員です。
地方公務員で週末、演劇をやったり、音楽活動をしている人は結構多いのです。
つまり生きがいと仕事を両立している人が多いのです。
そのくらい、地方公務員にはゆとりがあります。基本残業もありません。諸手当も充実。もちろん、ハードな部署もありますが、一般職公務員は常に2~3年で異動になります。その期間だけ我慢すればいいだけです。
姉夫婦を見て、思うのは「地方公務員は天国だ」ということです。欲しいものは何でも買え、悪いことをしないかぎり、クビの心配もありません。
姉夫婦は、二人とも太ってます。「幸せ太り」です。そして子供も「幸せ太り」。常にブランド物の洋服、アクセサリーを身につけています。もちろん高級車。それでいて、時間にもゆとりもある。連休の日は、家族で国内旅行を楽しんでいます。何一つ不自由が無いのです。
最後のセーフティーネットからこぼれたら
もちろん、他の弁護士・弁理士、公認会計士などの資格を目指すのもいいでしょう。ただ、それらの仕事と生きがいを両立できるかと言えば、疑問符が付きます。
何かやりたいこと、生きがいとの両立を目指すなら、地方公務員の一択でしょう。
地方公務員は最後のセーフティーネットです。
しかし、30歳を超えてしまうと、最後のセーフティーネットの受験資格も失ってしましいます。そうなれば非正規地獄が待ち構えています。そこへ親の介護問題が絡んでくると、生きている意味さえ見失うかも知れません。
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実際、私も、何の希望もありません。夢も描けません。未来が無いのです。
私はうつ病を患っていますが、なかなか寛解しない原因に、将来が真っ暗であることがあります。未来が明るくならないかぎり、私のうつ病は寛解しないでしょう。
ということは、一生うつ病が寛解しないのです。
それでは生きている意味がないのでは?と思った方もいると思います。
しかし、生きていますし、生き抜いてやろうとも思っています。
次回の「命さえあればやり直せるはもう嘘かもしれない 最終部」では、「地方公務員試験」という最後のセーフティーネットからも外れ、絶望の渦中にある人が自殺しないで済む考え方について考察してみたいと思います。