私は2015年の5月から楽天モバイルを使っています。
しかし、「楽天モバイル テザリング時は3日制限に要注意」でも書いたとおり、快適に使えたのは、2015年の10月頃まででした。
ユーザーの増加により、旧APN(vdm.jp)の通信速度が徐々に落ちていったのです。
さらに昨年6月下旬には本田圭佑選手を起用したTVCMが放映されました。そのせいもあってか、8~9月頃からユーザー数がさらに急増したようなのです。

しかし、楽天モバイルはさらに「火に油を注いでくれました」。楽天モバイルは2015年10月6日から新たなAPN(rmobile.jp)・新プランを設けたのです。
したがって2015年10月6日以降、楽天モバイルを契約したユーザーは、新プラン・新APN(rmobile.jp)での契約となったのです。
そこで生じたのが、通信速度の格差です。

解約するつもりでした
この格差に腹を立てたのが、私と同じく10月5日以前から契約している旧プランユーザー達。それも当然です。平日12時台は、スピードテストさえ実施できない回線状態。
そんな状態ですから、定番のYahoo!なんて見たくても見れなかったのです。「うそでしょ」と思うかもしれませんけど、本当の話です。
これが「激遅」格安SIMの実態です。
私も、あまりの速度低下に嫌気がさしていたので、すぐにでも解約するつもりでした。正確に言えば、一旦、旧プラン(vdm.jp)を解約して、速い(実は、今はもう激遅の)新プラン(新APN・rmobile.jp)で契約し直すつもりでした。
しかし、そこにはいくつかの誤算がありました。
最低利用期間は12ヶ月
格安SIMにも、最低利用期間はあります。
しかし大手キャリアの2年縛りのような長い縛りはありません。大体長くても12ヶ月です。
楽天モバイルの場合も、最低利用期間は12ヶ月でした。
とはいえ、あまりに通信速度が遅すぎるので、去年の11月頃には、もう解約したくて仕方なくなっていました。しかし、初回契約の12ヶ月後、つまり2016年5月まで待たないと、違約金9,800円(税抜き)が発生してしまいます。
悔しいですが、半年弱待つことにしたのです。
解約方法が見つからない
何とか我慢し、ようやく2016年4月になりました。待ってました!よ~し解約してやろうと思い「会員サポート」へログイン。しかしどこにも解約方法が載っていません。
ようやく見つけました。本当にわかりにく場所にありました。
まずは、楽天モバイルトップページ右上の「お問い合わせ」クリック

次の「お問い合わせ」のページを一番下の方までスクロール。
「ご利用中のお客様」の「よくあるご質問一覧」をクリック
ようやく「楽天モバイル ヘルプページ」にたどり着きます。
そこの一番左下の「解約」に解約方法が載っていました。
一苦労です。
解約時の注意事項
このページや「楽天モバイル:注意事項」の内容をまとめると、解約する際には、以下の注意点があるようです。
- サービスの解約は、電話による手続きが必要
- 締め日は15日。16日以降の申請は翌月末で解約となる
- 料金の日割り計算には非対応
しかし、この電話の問い合わせ先、カスタマーサポートセンターは平日でも18時までしかやっていません。
「平日も18時までって、誰が電話できるんだよ」と嘆いてしまいました。
MNP転出による解約方法
話を戻します。今度はMNP転出による解約方法について調べました。
そこの要点をまとめると、以下のようになります。
- MNP転出はメンバーズステーションより申請可能
- MNP予約番号の申込みをしてから2~3日後に予約番号が発行
- 他社へのMNP転出後は、楽天モバイルに転出連絡が来た後に自動的に解約
- ただしMNP解約も日割り請求には対応していない
- MNP転出手数料が1電話番号につき3,000円(税抜き)がかかる
解約法については分かりました。しかし、誤解があるといけません。念のため解約のタイミングと違約金、MNP転出方法等について、一度楽天モバイルカスタマーセンターに確認することにしました。
カスタマーセンターは役立たず
googleなどで検索すると、「楽天モバイルカスタマーセンターはつながりにくい」との苦情が多く見られます。
平日も18時までしかやってなければ、つながらないのも当然です。
私も「土日だったら相当待たされるんだろうな」と悶々とし、いつの間にか4月も下旬になりました。
4月27日(水)。たまたま風邪で会社を休むことになりました。
しかし運良くすぐ体調が回復した。そこで、「いくらなんでも平日は空いているだろう」と思い、カスタマーセンターに電話してみました。
15分以上待たされました。平日午前中でも。
ようやくつながったは良いものの、出たのは明らかに新人と分かるオペレーター。
「大丈夫か」と思いつつ、本人確認を完了。
さて本題。次のような質問をしてみました。
Q1:今日解約したら何月付の解約になるか?
A1:(少し間を置いて)、5月末です。
Q2:じゃあ今日解約したら、違約金は発生しませんよね?
A2:少々お待ち下さい。
(5分以上の保留)
A2:昨年5月1日に契約されているので、違約金は発生しません。
私は「こんなことも即答出来ないの、本当?大丈夫」と、とても不安になりました。
MNPについての誤解
さてそれでも、質問は続けます。
Q3:(直球で)旧APNが異常に速度が遅いので…、新APN(rmobile.jp)へSIM交換は出来ますか?
A3:「今は速度差は無いはずです」と質問の途中で断言される。
こんな即答されると、温厚な私でも、グレてしまいます。

我を取り戻して質問を続けます。
Q4:新APN(rmobile.jp)で契約したいんですけど、一旦旧プラン(vdm.jp)を解約して、新規契約になるのですか?
A4:(即答で)そのとおりです。
楽天モバイル内でのMNP転出・転入は不可
「一旦楽天モバイルを解約し、新APNで契約し直しました!今はとても快適です」という主旨の【少し古い】記事は今でもよく見かけます。
※少し古いというのは、2015年11月~今年の1,2月ぐらいまでのこと。実はこの時期がミソです。
こうした文章を見ると、今の電話番号を、そのまま新APNに引き継いで契約し直せるように思えます。
実際、私もそう思ってました。
ですからこの解釈が間違っていないか、オペレーターさんに質問しました。
しばらく砂時計がクルクルしてから、
「同じ会社内でMNP転出・転入はできませんけど。一旦MNPで他社で契約して、また当社にMNP転入するなら、今の電話番号は維持ですますが。一旦解約したら、電話番号が変わりますよ」。
「嘘でしょ」と思い、温厚な私も、「ちょっともう一回確認してみて」と粘ってみました。しかし回答は同じ。
完全な自分の過ちでした。
そりゃそうです。彼女の言うとおり、同じ会社内でMNP転出・転入はできるはずはありません。
通信格差があっても同一の会社
「一旦楽天モバイルを解約し、新APNで契約し直しました!今はとても快適です」と言っていたは、多分「データSIM」タイプの契約者なのでしょう。音声通話の無い契約タイプです。
すっかり通話SIMでも、楽天モバイル内でMNP転出・転入が出来ると勘違いしてしまいました。
こうした誤解をしたのにはもう1つ背景があります。
同じ楽天モバイル内でも新・旧APN間で、あれほどの極端な通信格差が生じていれば、利用者としては、旧APN(vdm.jp)と新APN(rmobile.jp)は、全く別の会社が運営していると錯覚してしまいます。

ですから、旧APN(vdm.jp)→新APN(rmobile.jp)への移行で、会社が変わる。だから、MNP転出・転入ができると勘違いしていたのです。そう錯覚させるくらいの、本当に極端な速度格差が生じていたのです。
結局、スマホ1台持ちユーザーにとって、電話番号が変わるのは致命的。今回の電話での解約は一旦保留としました。
2016年4月以降は「新新APN」
しかし、遅いのは本当の困るので、これを機に、他社に切り替えようと思いました。
そして、格安SIMの速度比較サイトで、どのMVNOが良いか調べました。
そしたら、驚愕の事実を発見しました。
なんと楽天モバイル、【秘密裏に】また別のAPN、新新APN(rmobile.co)を設置したのです。今回は前回(楽天モバイル:プラン名変更のお知らせ)と違って、何の公式発表もなく、APNを増設したのです。やり方が汚いですね。本当に。
ですから、設置時期の詳細は不明。恐らく今年の3月末頃に設置したようです。ですから今年4月移行に契約した人は、知らずの内に、新新APN(rmobile.co)での契約となっているはずです。
新新APNは既に遅い 楽天モバイルを契約する理由なし
今年4月以降、楽天モバイルには3つのAPNが存在します。
新APN: rmobile.jp(2015年10月6日~恐らく2016年3月末)
新新APN: rmobile.co(2016年4月~)
実はこの新新APN(rmobile.co)今までのAPNと決定的に違いがあります。それは、最初から速くないという点です。契約者数がまだ少ない今時点でもです。

ほんの1,2ヶ月前まで速いと言われていた新APN(rmobile.jp)も、ユーザーの増加によって、今や激遅に成り果てました。
新新APN(rmobile.co)にいたっては昼12台は激遅。
一方、旧APN(vdm.jp)は契約者の順調な減少により、速度が回復してきたようです。実際今回の調査では旧APNが、平日12時台は一番速かったのです。もちろん、それでも遅いですけど。
この最新の結果からして、旧APNのままでも良いかと思い、今回は楽天モバイルに留まることにしました。旧APNユーザーが順調に減っていけば、旧APNのままでも速度が復調すると考えたのです。
音声通話料も安くできる会社は、たった5社
楽天モバイルに留まった理由はもう1つあります。
現在、格安SIMは10社以上あります。多過ぎです。
しかし、その中で、音声通話料金まで割引になる会社は、楽天モバイルを含めるとたった5社しかありません(現時点)。
その他の格安SIMでは、国内通話料20円/30秒と割高になります。
スマホ1台持ちの場合で、音声通話をする方は、音声通話料が割安になる会社を選ばないと、せっかく格安SIMにしたメリットがあまりありません。
他の会社を選ばなかった理由
それでも他に4つの選択肢があるのですから、別の会社で契約すればと思った方も多いと思います。
ですので、各社についてなぜ他の会社を選ばなかったをそれぞれ、簡単に説明します。
IIJmioを選ばなかった理由
- やはり遅い格安SIM
- クーポンという独自の概念になじめない
BIGLOBE SIMを選ばなかった理由
- 通信速度が一定でない
- 通信速度が速かったり遅かったりする
格安SIMの速度比較サイトを見ると、BIGLOBE SIMは速いのか遅いのかよく分からない挙動をしています。速度が速い月もあれば、遅い月もあります。この不安定さはかえってストレスになるかなと思いパスしました。
速度が一定になるのなら、BIGLOBE SIMでも良いかなとは思っています。
NifMoを選ばなかった理由
- 国内かけ放題のサービス(Nifmoでんわ、月額1,300税抜き)は要らない
- そこまで音声通話はしない
- NifMoでんわはIP電話なので、通話品質が心配
実はデータ速度面で言えば、NifMoはとても安定しています。平日12時台でも下り1~2Mbpsは出ているようです。しかし、国内かけ放題までのサービスは要りません。そこまで音声通話はしません。かえって高くなります。ですからパス。
※音声通話を多めに利用する方は、NifMoはおすすめです。ただし、IP電話なので、通話品質には要注意です。
今回はリストアップしませんでしたが、mineoも同様にIP電話網を使ってほんの気持ち、通話料が抑えられるアプリがあります。「LaLa Call」というものです。ただ、あまり評判が良くないので、こちらもパス。リストアップもしませんでした。
FREETELを選ばなかった理由
- なぜかZenfone5でテザリングがNGなため。この1点だけ

実は、FREETELについては契約しようかどうか最後まで悩みました。
FREETELの良いところはいくつかあります。中でも12時台でも下り10数Mbpsが出るところは魅力的です。多分まだ認知度が少なく、契約者が少ないからでしょう。
次に魅力的なのが、「FREETEL電話」です。

例えば1分間だけかけ放題であれば、月額399円で済みます。通話が1分を超えても10円/30秒の通話料の通話料で済むのも魅力です。通常は20円/30秒ですから。
また「FREETEL電話」はIP電話ではありません。通話品質が実際良いかは分かりませんが、IP電話よりは良いでしょう。この点も魅力です。
この会社はまだ新興勢力です。ですから信頼度という点では不安な点があります。しかし、MVNO界の革命児的な存在です。スマホ料金に風穴を開けるか、平成電電のように失敗に終わるのかはいま時点では不透明です。
今回は、残念ながら、私の持っている「Zenfone5」はなぜかテザリングがNGでした。これさえなければ、多分FREETELで契約していたでしょう。
3月、4月に他社へ切り替えます
FREETELは速度面、通話料の面で本当に魅力的でした。ただテザリングNGだったのだけは残念です。第2候補はBIGLOBE SIMでしたが、楽天モバイルの旧APNの速度が復調傾向にあるので、あえて、今回は移行はしませんでした。
しかし、もう1つ、今回楽天モバイルを解約しなかった理由があります。
私の場合、最低利用期間を過ぎたので、もう解約違約金はかかりません。ただし、MNP転出料3,000円(税抜き)は必ずかかります。
5月に解約しても、MNP転出料を相殺するだけのキャンペーンがあまりなかったのです。魅力的なキャンペーンが実施されるのはやはり、3月か4月。
旧APNが復調傾向にあるので、来年の3月、4月まで待っても損は無いと思ったのです。むしろ、お得なキャンペーン時期に、切り替えたほうが得だろうと判断したのです。
ということで、とりあえず楽天モバイルに残りましたが、前述のとおり、現在、楽天モバイルの3APNとも全て、遅いです。カスタマーセンターサポートも最低品質です。
仮に新新新APNが作られたとしても、速いと感じれれるのは数ヶ月だけでしょう。とにかく新規顧客を獲得することしか考えてないからです。新たにAPNを作っても、数ヶ月で利用者が満杯になり、激遅になる。その繰り返しのMVNOです。
「楽天」というブランドに騙されてはいけません。楽天モバイルは、もう絶対に契約していけいない格安SIMだということは、強調したいと思います。
中継電話サービスを利用する
最後に、速度面は良いけど、通話料割引サービスを行っていない格安SIMでも、音声通話料を安くする方法について書いてみたいと思います。
もう何度も繰り返してますが、格安SIMは十数社あります。本当に多過ぎです。しかし、常に速度面で好評を得ているのは、この記事を書いた時点では、大体4つ程度に絞らます。
この中ではUQモバイルがダントツで速く安定もしています。頭2つぐらい抜けています。
あえてこの中には入れませんでしたが、FREETELも現時点では速度が速く安定しています。
ただし、まだ新興勢力ということで、現時点ではおすすめはしません。
余談になりますが、mineoのドコモプラン(Dプラン)はすでに遅いSIMです。auプラン(Aプラン)の方も、じわりじわりと速度が落ちてきている気がします。気のせいならいいですが。楽天モバイルの二の舞いにならなければいいなと思います。
mimeoについては、ちらっと触れましたが、IP電話サービス「LaLa Call」で若干通話料を抑えられます。しかし、IP電話なので通話品質の面で評判が良くありません。
IP電話サービスは使わない
音声品質を落とさず、通話料を抑える方法は無いかというとそんなことはありません。
IP電話を使わず、「G-Call」などの中継電話サービスを使えばいいのです。
中継電話もIP電話と同様に、電話設備や装置を経由します。


しかし、中継電話設備の方は、「音声通話専用の設備」なので、IP電話のような音質劣化が発生しにくいのです。
「楽天でんわ」も同様に、フュージョン・コミュニケーションズの電話通信網を経由するサービスです。そう考えると、楽天モバイルユーザーでなくても、使えるアプリのはずです。が、その辺の説明は全くありません(多分使えると思いますが)。
「G-call」にしろ「楽天でんわ」にしろ、今使っている格安SIMで使用可能かはご自身で、必ずご確認下さい。また、一部利用できないサービスもあるので、その辺も必ずご確認下さい。あと中継電話サービスでは、発信時にプレフィックス番号、楽天でんわの場合は「0037-68-」が先頭に付加されます。
「楽天でんわ」の場合、相手には、通常の電話番号が表示されます。しかしサービスの詳細は、必ずご自身で確認して下さい。※当ブログは一切の責任を負いません。
私もずっと「楽天でんわ」を使っていますが、今のところ不便は感じていません。
楽天モバイルを契約する理由はない
いずれにしても、UQモバイルなど速くて安定した格安SIMで、中継電話サービスを使えば、本当にお得で快適な格安SIM生活が送れるでしょう。
実際、「格安SIMの通話プランで比較したおすすめの5社 | 通信費節約アドバイザーが伝授する家計ダイエット術!」というサイトの運営者は、UQモバイルと楽天でんわを併用しているようです。
考えれば、色々と節約術は見つかります。そうすると、いよいよ楽天モバイルで格安SIM生活をスタートする理由はなくなってしまうのです。
【訂正】
2016年8月に楽天モバイルを契約した方から、ご指摘の連絡がありましたので、訂正します。以下原文。
2016年8月に契約を行いましたが、
rmobile.coではなく、rmobile.jpのSIMカードが届きました。また、jpかcoのどちらが届くかをお客様では選択できるものでは
ありませんし、返品・交換は行っておりません。
その際の解約についても、事務手数料3,000円はいただきます。
とのこと。
2016年4月以降の契約の場合、「rmobile.co」での契約となると書きましたが、ここで訂正させていただきます。