これまでは「Thunar」の基本的な使い方や、「カスタムアクション」の追加・削除方法について説明をしてきました。
今回はウィルス対策ソフト「ClamTk」を右クリックの「送る(S)」に登録し、素早くダウンロードしたファイルをウィルススキャンする方法を説明します。
ClamTkはApplication Centerからインストール
無料のウィルス対策ソフト「ClamTk」は「Application Center」(=Ubuntuソフトウェアセンター)からインストール出来ます。
いつも通り「Application Center」の検索欄に「ClamTk」と入れて「詳細情報」をクリックします。
「詳細情報」ページの左下「追加のアドオン」の所に「clamtk-nautilus」という記載があります。これは「Thunar」用のものではなく「nautilus」用のアドオンです。
ですからここはチェックせずに、そのまま「インストール」をクリックします。すぐにパスワードが求められますので、ご入力下さい。
実はnautilusもインストールされている
紛らわしいのですが、実はChaletOSには、最初から2種類のファイル管理ソフトがインストールされています。
- 「ファイル」=「nautilus」
- 「ファイルマネージャー」=「Thunar」(デフォルトはこっち)

ファイルが「nautilus」、ファイルマネージャーが「Thunar」
「Thunar」に慣れれば、「nautilus」(ファイル)は全く使わないと思います。ですから後で「nautilus」(ファイル)は削除して構わないと思います。むしろ削除したほうがスッキリすると思います。
「Thunar」を使うつもりが「nautilus」が起動する事も有りうるので。
ClamTkの使い方
脇道に逸れましたが、本題の「ClamTk」は問題なくインストールできたと思います。ではダウンロードしたファイルをウィルススキャンする方法を簡単に説明します。
まずは「ClamTk」の起動します。
デスクトップ左下の「ChaletOS」をクリック、または「Superキー(Windowsキー)」を1回押下し、「Whisker Menu」を表示します。
一番下の検索欄に「clam」ぐらいまで入力します。以下の様にアプリケーションが絞り込まれますので、一番上の「ClamTk」をクリックします。
あるいは同じく「Whisker Menu」右側のカテゴリから「アクセサリ」を選択することで「ClamTk」を探し出す事が出来ます。
ファイルのスキャン方法
「ClamTk」を起動すると以下の画面になります。
画面一番左下の「ファイルをスキャン」をダブルクリックします。以下のようにファイルを選択する画面に変わります。
今回は例として「~/Downloads/」にある「110.zip」を選択し「OK(O)」をクリックしました。「OK(O)」をクリックするとすぐにウィルススキャンが始まります。スキャン中は以下のような小さなウィンドウが出て進捗状況が表示されます。
「スキャンが完了しました」というメッセージが出ましたら、「閉じる(C)」で閉じます。以上でファイルのウィルススキャンは完了です。
しかし、この方法だと既に「Thunar」でダウンロード先を開いていたとしても、別途一から「ClamTk」を起動して、そこからファイルを再選択するという「手間」や「じれったさ」が生じてしまいます。
誰もがもっと手っ取り早くウィルススキャンしたいと思うでしょう。こういう場合は今までは「カスタムアクション」を紹介してきました。
カスタムアクションも使えます
もちろん、例えば以下のような「カスタムアクション」を追加することで、スキャンしたいファイル上で右クリックし、直接「ClamTk」でのウィルススキャンが可能になります。
以上のように確かに「カスタムアクション」を追加することで、素早く「ClamTk」でウィルススキャンすることは可能になりました。
右クリックの「送る」を利用する
しかし、そのことで右クリックのメニュー項目がまた1つ増えてしまいました。
徐々に「Thunar」を使いこせるようになると、少なくとも1~2個程度「カスタムアクション」をご自身で創作し、追加されると思います。
そのことを考慮すると、「カスタムアクション」を山のように増やしていくのは、可能なら避けたいところです。
thunar-sendto-clamtkの入手方法
幸い「ClamTk」に関しては、実は「カスタムアクション」を利用せず、素早くウィルススキャンする別の方法があります。
それは右クリックメニューの「送る(S)」を利用する方法です。専用のアドオンソフトもありますので、設定も非常に簡単です。
そのアドオンソフトは「thunar-sendto-clamtk」というものです。しかし、このアドオンソフトは「Application Center」からは入手はできません。ですから、作者のサイトから直接debパッケージをダウンロードし、インストールする必要があります。
ただ厄介なことに、その入手先はかなり見つけにくいです。ですから、まずはそのアドオンの入手方法から説明をします。
アドオン入手先ページ
結論を言うと「thunar-sendto-clamtk」はclamtkから入手できます(執筆時点)。
上記リンクをクリックしていただくと、以下のようなページに遷移します。
この画面を下の方までスクロールすると「Addons」という所があります。そこに「thunar-sendto-clamtk(0.05)」(バージョンは執筆時点)という項目があります。
このアドオンをダウンロードするには、「thunar-sendto-clamtk(0.05)」右下の「Debian/Ubuntu deb」の「deb」をクリックします。Firefoxの場合、以下の画面がポップアップしてきます。
「ファイルを保存する」にチェックが入っていることを確認し「OK」をクリックしダウンロードします。※他のブラウザの場合も、リンク先ファイルをダウンロードして下さい。
もし、上述のリンクが切れていた場合は、「ClamtTk Addons」などのワードでネット検索されると見つかると思います。ただ、それでも残念ですが見つけにくいです。
GDebi=Application Installer
いずれにしてもダウンロードフォルダ(~/Downloads/)に「thunar-sendto-clamtk_0.05-1_all.deb」が無事保存されたと思います。
debファイルは通常「GDebi」を使ってインストールします。しかし、前にも何度か説明してきましたが、ChaletOSでは「GDebi」のことを「Application Installer」と表記・表現しています。
もう既に「debファイル」を「Application Installer」で開く設定をしている方は、「thunar-sendto-clamtk_0.05-1_all.deb」をダブルクリックすれば、いつもの下記の画面になりますので、右上の「パッケージをインストール(I)」をクリックして下さい。
すぐにパスワードが求められますのでご入力下さい。
以下の画面になりましたら、右上の「☓」で閉じます。以上で設定完了です。簡単です。
常にApplication Installerで開く設定
もし、まだdebファイルを常に「Application Installer」で開く設定をしていない方は、まずダウンロードした「thunar-sendto-clamtk_0.05-1_all.deb」の上で右クリックを押して下さい。そしてメニュー一番下の「プロパティ(P)」をクリックします。
以上の画面になりますので、「これで開く(O)」のプルダウンをクリックし「Application Installer」を選択します。
上記のように「これで開く(O)」が「Application Installer」になっていることを確認し「閉じる(C)」をクリックします。これで、debファイルを常に「Application Installer(GDebi)」でインストールできるようになります。
「送る(S)」からウィルススキャン
では実際、右クリックの「送る(S)」から「ClamTk」でのウィルススキャンできるか確認してみます。
「Thunar」でダウンロードフォルダ(~/Downloads/)を開きます。今回は例として以前ダウンロードした「110.zip」の上で右クリックをしてみます。
無事「送る(S)」の中に「ClamTk」が追加されています。そのまま「ClamTk」をクリックします。
無事「ClamTk」でのウィルススキャンが始まりました。
このようにアプリケーションによっては、わざわざ「カスタムアクション」を使わなくても「Thunar」との連携が取れることがあります。
「送る」に登録する別の方法
今回は幸いアドオンソフトがあったので、かなり簡単に右クリックの「送る(S)」に「ClamTk」を登録することができました。
しかし、もし他のアプリケーションを「送る(S)」に登録する場合は、結構手間が掛かります。詳しくは英語ですがxfce:thunar:send-to [Xfce Docs]をご参照下さい。
私はやったことはないですが、要点は以下の3点だと思います。
- アプリケーションのデスクトップエントリーを作成
- そのデスクトップエントリーを「~/.local/share/Thunar/sendto/」に配置
- もし「~/.local/share/」に「Thunar/sendto/」が無いなら作る
ご興味がある方は挑戦する価値はあると思います。ただし「デスクトップエントリー??」という方は挑戦しない方が、無駄な苦労・ストレスを抱えずに済むと思います。