うつ病と診断されるとまず処方されるのが「ジェイゾロフト」です。
この薬は、とても副作用が少ないため、抗うつ薬の定番とも言える薬です。
最初はジェイゾロフト
私は2010年の4月からうつ病と診断されました。
そこで処方されたのはやはりジェイゾロフトでした。
もちろん、ジェイゾロフトは効果的でした。
私の場合の以下の症状が改善しました。
- 眠れない(入眠困難)
- ひどい倦怠感・疲労感
- 易疲労性
- 心臓の痛み、動悸
- 集中力の低下
- 注意力の散漫
効き方はマイルド
私の場合は、どちらかというと身体面での効果があったのですが、精神面での効果はあまり感じられませんでした。ですから、2年間ジェイゾロフトを飲み続けましたが、以下の症状はあまり改善はしなかったです。
- 気分が落ち込む、特に朝の抑うつ気分が強い
- 不安感
- 何の希望がもてない
- 毎日生活に張りが感じられない
- 中途覚醒
- 早朝覚醒
色々抗うつ薬を試してきましたが、ジェイゾロフトはもちろん効果的ではあります。ただし、効き方は比較的マイルドな感じがします。
※その分、副作用が少なくて安心な薬でもあります。
医師の方からすすめられたリフレックス

出展:リフレックス錠のすべて
うつ病が発症して2年。症状はかなり落ち着いてきたものの、不安感や気分の落ち込み、生活の充実感、中途・早朝覚醒がなかなか治らないことを、当時の主治医に相談したところ、リフレックスを試すことを提案されました。
その時(2012年6月時点)説明されたのは、
- 比較的新しい薬であること(NaSSA)
- セロトニンだけでなく、ノルアドレナリンにも作用すること
- やる気が出て、行動的になる可能性があること
少しでも気分の落ち込み・不安感を解消したかったので、この薬を試すことにしました。
リフレックスの長所
リフレックスを飲み始めて、すぐに変化は現れました。
- 充実感・幸福感の向上
- やる気に満ちあふれる
- 不安感の減少
- 将来への希望がもてるようになった
- 性格が明るくなった
- 毎日が楽しくなった
- 笑う回数が多くなった
正直これで、うつ病から卒業できると思いました。そのぐらいの薬でした。
しかし、やはり、慎重で消極的だった自分が、「別人のように」積極的で行動的になっていくのも実感しました。
その点は気になりましたが、得られる充実感はジェイゾロフトとは比べ物にならなかったので、徐々に飲む量を追加していったのです。
衝動的なイライラと攻撃性が抑えられなくなった
しかし、2012年の6月からリフレックスを服用するようにって、一ヶ月も経たないうちにもうひとつ、自分が別人になったような感覚を覚えました。それが次の2点です。
- 衝動的でコントロール不能な激しいイライラ
- 激しい攻撃性、攻撃欲求
例えば、電車を降りる際、前の人がよけてくれなかっただけで、その人を殴り殺したくなったり、職場で、同僚のささいなミスを見つけると、どうしても大声を出して怒鳴りたくなるなどしたのです。
リフレックスを飲み始めて、2ヶ月後の8月には、普通に仕事をするのも、もう大変になりました。常にイライラし、同僚に罵声を浴びせたり、暴力を振るいたくてしょうがなくなってしまったのです。
そして異常行動へ
そんな強い衝動にかられた時は、急いでトイレに駆け込み、個室の壁を何回も殴ったり蹴ったりしていました。そうしないと生活できなくなったのです。
その頃には、いつ自分が「傷害事件」を犯してもおかしくないという危機感もありました。
こんな異常な行動をしている自分は「もう普通の生活はできない」と感じ、しばらく休職しようと願い出たのです。
リフレックスが原因で無職へ
しかし派遣社員だったので、休職は認められず、雇用契約を8月末で終了することになり「無職」となったのです。
幸い、傷病手当制度が適用になったので、無収入になることは避けられました。しかし、それから、1年6ヶ月間、社会復帰するためのリハビリ生活を余儀なくされました。
もちろん病院も変更しました。
しかし、そこで更なる悲劇が待っていました。
副作用はなかなか消えない
次の病院で処方されたのがパキシルでした。
パキシルのお陰で激しいイライラや攻撃性は、緩やかにおさまってきました。
しかし、そうしたイライラや攻撃性がおさまるまで、半年以上はかかりました。
もちろんリフレックスをやめたので、その長所である、充実感や幸福感、不安の減少というものはなくなりました。
また不安と希望の持てない生活が始まったのです。
パキシルによる体重増加
パキシルについては昨年の12月まで約3年間服用していました。
その結果、恐ろしいことに3年で約20kgも体重が増加してしまったのです。
私はうつ病になる前からランニングを趣味としていました。
しかし、この急激な体重増加が「オーバーユース」につながり、シンスプリントという故障をかかえるようになったのです。
ちなみに、シンスプリントはいまだ治療中です。疲労骨折の前段階といえる、とても厄介なケガをしてしまったのです。
2012年6月にリフレックスを服用し始めてからは、坂を転げ落ちるような人生です。
マイナーな副作用でも恐ろしい
リフレックスの一般的な副作用は以下の2点です。
- 体重増加の副作用が多め
- 眠気が出やすい
衝動的なイライラや攻撃性の増加は、決して多く見られる副作用ではないようです。ですからリフレックスを服用すれば、【必ず】イライラし、攻撃的になるとは言えません。
同じように、パキシルも主な副作用として体重増加は挙げられていません。
しかし、レアケースの副作用でも、重大な副作用です。そのせいで、人生が確実に台無しになります。
薬物療法はジェイゾロフトを基本に
ジェイゾロフトは最も副作用の少ない抗うつ薬のひとつです。
「MANGA study」という有名な研究報告によると、ジェイゾロフトは副作用も少なく、有効性も最も強い部類に入るようです。
ただし、患者の経験で言えば、抗うつ薬の効果は、この図で現されているほどではないと確信しています。
ただいずれにしても、「副作用が少なく最も安全である」ことについては全く異論はありません。
焦らずジェイゾロフトの安全性に頼る
ジェイゾロフトだけに言えることではありませんが、同じ薬を使い続けると、いずれその効果が頭打ちになる時期が必ずやって来ます。
それこそ、あなたのうつ病が寛解に向かいつつあることの証拠だと思います。少なくとも急性期の一番底は抜けているはずです。

出展:うつ病の再燃と再発
もしあなたが今、ジェイゾロフトを使っているのなら、更なる薬効を求めて、他の薬に変更することは、絶対におすすめしません。
なぜなら、ジェイゾロフトが最も安全な薬のひとつだからです。
例えば私のように、リフレックスに変更することで、イライラし攻撃的な人間に人格が変わり、そのことで、職を失ってしまう【リスク】だってあるのです。
つまり、他の抗うつ薬は、何らかの副作用をもたらす【リスク】があるということです。それに比べ、ジェイゾロフトはかなり安全でリスクが少ないのです。
精神療法なども併用してみる
現在の心療内科の治療方針は、ほとんど薬物療法です。おそらく即効性があるからだと思われます(間違ってたらすみません)。ですから、今の薬が頭打ちになったことを相談すると、他の薬への変更が提案されます。
しかし、繰り返しですが、抗うつ薬の効果が頭打ちになってきたことは、うつ病が寛解に向かいつつあることの証拠だと思います。
そういった時こそ、試してほしいのは、【リスク】のある薬の変更ではなく、認知行動療法、カウンセリングなどの精神療法です。
問題はストレス社会
現在、多くのうつ病患者は心因性のうつ病だと思います。
心因性とは、簡単に言えば性格や認知(考え方)の偏りや、精神的ストレスが原因であるということです。
つまり現代型のうつ病患者の多くは何らかのストレスを抱えているということです。
抗うつ薬は、ストレス自体を除去はしてはくれません。あくまで対症療法です。この点が重要です。
原因であるストレスに立ち向かう
特に認知行動療法は、ストレスに対する考え方(認知)の歪みをただし、ストレスを溜め込まない精神状態をつくっていくことができます。
また精神療法は、薬物療法とは異なり、はっきりとした副作用がありません。
また薬物療法と併用することで、治療の効果が高まる、再発率が減る、といった報告もあります。
これらのことからすると、最も副作用の少ないジェイゾロフトという抗うつ薬と、副作用のない精神療法を併用することが、最も安全で着実あると言えるのです。
自分に合った病院を調べる
私は、4年前にリフレックスを使用したことで、人生がさらに悪い方向に向かってしまいました。もうこの人生は修復不能だとも自覚しております。
そうした悲劇を起こさないためにも、薬物だけに頼るのではなく、最も安全なジェイゾロフトと認知行動療法などの精神療法を併用することをおすすめします。
なかなか薬物療法と精神療法を併用している病院となると数が狭まるのが現実です。
しかし、探せばきっとあります。
私は今、ジェイゾロフトとカウンセリングを併用しています。
カウセリングもほぼ自由診療となることが多いのですが、今の病院では保険適用になっています。
うつ病を患うと他の病院を探す気力もなくなると思います。しかし、そこは最後の力を振り絞って、精神療法を併用できる病院に転院することを、強く、心からおすすめします。