医学的に言えば、抗うつ薬「パキシル」は【必ず太る】薬ではないようです。
先生にも聞いたのですが、パキシルで太る患者数も意外と少ないそうです。

画像出展:パキシルは太る?3つの対処法
確かに上記の表よると、パキシルの体重増加リスクは3段階中++と最大値ではありません。
そうです、人によっては太ります。しかも急激に。
私は4年前、うつの状態が悪くなった時に、ジェイゾロフト75mg→パキシル100mgに変更しました。
それから3年で約20kgも体重が増加したのです。
注意点1 太る危険性、医師から説明なし
パキシルに薬を変更した時、私は35歳でした。
ですから、最初はパキシルのせいではなく、年齢のせい、いわゆるメタボだと思っていました。
そう思った理由のひとつが、パキシルに変更する際に、医師から太る可能性について説明を受けていなかったからです。
医師は、まず、うつの状態を良くすることを最重視します。ですから患者側から何も言わなければ、太る可能性について説明することは、まずありません。
しかも処方薬の説明書にも記載なし
処方薬を薬局で購入すると、「注意事項・副作用」などが書かれた説明書のような物が添付されます。
しかし、その「副作用の項目」にも太る可能性については記載はありませんでした。ですから、パキシルで太るということについて全く認識が無かったのです。
注意点2 健康診断ではメタボと診断される
私が太り始めたのは35歳の頃です。
ちょうどメタボ健診が始まる時期でした。
パキシルで太ると体重以外にも、健康診断で様々な異常値が出ます。
代表的なのは、腹囲や中性脂肪ですが、それ以外にもLDLコレステロール値やAST(GOT)など肝機能を表す値が異常となっています。
これらの指標からして内科の先生からメタボと診断されました。パキシルに変更し、たった一年で私はメタボとなったのです。
内科系の病気にかかるリスク
ただ、それでも心療内科の先生から太る可能性が説明されていなかったため、メタボだと信じ続けたのです。
メタボは立派な病気です。
ただし私の場合は、肝機能を示す値から「脂肪肝」の可能性が疑われました。
太ることでメタボ以外の病気が指摘されたのです。
理由はともあれ、急激に太ることはとても危険なことなのです。
薬で太ったらダイエット全く効果なし
メタボと診断されたため、内科医の先生から、生活指導がされました。
ただし、私はもともと趣味でランニングをしていたので、それは継続するよう言われました。
先生の指導のもと、私は3年間以下のことに挑戦してきました。
- ランニング量の増加
- 筋トレ量の増加
- ダイエットサプリ、薬を試す
- 食生活の見直し
- 規則正しい生活へ
しかし、全部効果がありませんでした。
「パキシルで太ってしまった時の対処法」では、
抗うつ剤は体重が「落ちなくなる」のではありません。「落ちにくくなる」だけです。しかるべき行動をとれば体重は必ず落ちます。
と記載されていますが、これはあくまで医師目線の意見です。
体重が「落ちにくくなる」のではありません。
パキシルで太る理由 医師からの視点
パキシルで太る理由については詳しくはこちらをご参照ください。
ただ簡単に言うと、以下の作用が影響するようです。
- 代謝抑制作用
- 抗ヒスタミン作用
患者側の感覚で言うと、明らかに代謝系に異常が起きている感じがしました。
どんなにダイエットに励んでも、全て効果が出ません。
これは本当に重大なことです。
判断基準:ダイエットが効くかどうか
ですから、単純なメタボか、薬の副作用で太っているかの判断基準は、経験上、ダイエットが効くかどうかだと思います。
心療内科の医師でさえ、薬の副作用で太ってしまった際は、ダイエットをすすめます。でも、医師は患者ではありません。
つまり、医師は抗うつ薬で急激に太るという経験をしたことが無いのです。
ですから、その健康上のリスクや、全くダイエットの効果が無いことを実感したことがないのです。
スポーツ障害にもつながる
結局私の場合は、メタボと勘違いし、3年で約20kg太ったのです。
しかもその間、ダイエットを激しめに行っていました。
80kg台の男性が1km/3分台で約4km、週3~4回のランニング。
結局、これが「オーバーユース」につながり「シンスプリント」と軽度の変形性膝関節症を患ったのです。
シンスプリントになったことは、悲劇ですが、このおかげで、改めて自分が、メタボではなく薬で太っていたことに気づいたのです。
私の場合は、ケガでしたが、人によっては内科系の重篤な病気がシグナルになったかもしれません。後悔は先に立ちません。もっと早くパキシルを止めていればと後悔をしています。
唯一で最も効果的なのが薬の変更
結局、薬で太ったら、【唯一で最も効果的】なのが、「薬の変更」です。
結局、これ以外ありません。
ダイエットも無駄です。すぐに薬を変更することです。
ただし、薬を変更しただけでは痩せません。
経験上一度、ボロボロになった代謝系は薬を変更しただけでは復活しません。
まずは薬を変更してから、特に運動などのダイエットに励むことで、代謝力が顕著に復活し、スムーズに痩せるようになります。

4ヶ月で約10kgのダイエット
離脱症状には要注意
結局、私はパキシル100mg→ジェイゾロフト75mgに変更し、運動を継続することでダイエットに成功しました。
しかし、大きな失敗も犯しました。
急激な抗うつ薬の変更による「離脱症状」に悩まされたのです。
- めまい・シャンビリ感
- 不眠・睡眠障害
- イライラ感や攻撃性の増加
- 何をやってもおもしろくなくなる
特にイライラや不眠がひどくなり、体調不良に陥りました。
そのことで、会社を辞めることになったのです。
医師に積極的に質問する
以上の様に、私はパキシルで太りました。
そのことで、「シンスプリント」になるは、会社を辞めることになる等と散々な目にあいました。
その経験からのアドバイスは、ただひとつ。
医師に積極的に「その薬は太りますか?」と質問し続けることです。
何回かその質問を繰り返すことで、医師の方から、太る危険性のある薬を避けてくれるようになります。
そのため、ケガや重篤な病気などのシグナルが出ない限り、抗うつ薬を変更することはできないと思います。
遅きに失しないために、特に中年のうつ病患者の方は、積極的に「その薬は太りますか?」と質問することが重要だと思います。
繰り返しますが、薬で太ったら、何も良いことはあまりません。
そんな地獄に陥らないためにも、医師には積極的に薬について質問する癖をつけましょう。
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