ChaletOSはUbuntu派生のディストリビューションです。ですから、そのインストールの流れも「基本的には」本家のUbuntuと同じです。しかし、以下の点だけが相違しています。
- まず言語は「English」のままインストール
- インストール完了後に日本語化する
分かりやすい解説サイトが少ない
ネットで検索をすれば「ChaletOSのインストール方法」を紹介しているサイトは、すぐに2~3見つけられると思います(執筆時点)。
しかし現時点では、そうしたサイトは以下の2タイプにはっきりと分かれてしまっています。
- 上級者による解説。マニアックな設定など余計な説明を加えてしまい、かえって分かりにくい
- 初級者による解説。スクリーンショットの撮り方を知らないためか、画像情報が少なく、やはり分かりにくい
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どちらにしても、分かりにくいのです。このままでは決してChaletOSは普及しない、またWindows 10難民も救えないだろうと思い、私もLinuxの初心者ですが、ChaletOSの標準的なインストール方法+初期設定方法について書こうと思いました。
Information availableは「close」で閉じる
ChaletOSの本番インストールする前に、大抵の方がLive USBまたはLive DVDでまずはお試しをされると思います。
ちなみに以前紹介した通り、ChaletOSのLive USBは「UNetbootin」または「Rufus」の2ソフトなら作れます。個人的には「UNetbootin」の方が手軽なのでお勧めです。
実際にLive USBなどでChaletOSを起動すると、すぐに以下のような警告が出ます。これはすぐに右下の「close」で消して下さい。「Run this action now」をいくらクリックしてもライブ環境ではエラー解消出来ません。
無線Lan接続を確認する
ChaletOSをインストールするには、必ずインターネット接続が必要です。有線接続の方は、自動でインターネット接続されていると思います。無線Lanの方は、デスクトップ右下の電波マークをクリックして下さい。

Wi-Fiの設定はデスクトップ右下にある
クリック後、アクセスポイント一覧がリスト表示されますので、ご利用のアクセスポイントを選択し、パスワードをご入力下さい。実際にブラウザを起動するなどして、必ずインターネットにつながっていることをご確認下さい。
言語はEnglishのままで
インターネットに接続中であることが確認出来ましたら、次は実際にインストールします。ChaletOSをインストールする際は、一番左上の「Install ChaletOS 16.04」をダブルクリックします。
すぐに以下の画面に進みます。
ここは敢えて「English」のまま「Continue」をクリックします。言語を「日本語」にしてインストールすると、高確率(100%近く)でエラーが発生しインストールが途中で止まってしまうからです。
Preparing to install ChaletOSは全てチェック
続いて以下の画面になります。2箇所チェックボックスがあります。【必ず】2箇所ともチェクを入れて下さい。
その上で、「Continue」をクリックします。
※空ではない(別のOSが入っているetc)ハードディスクにインストールする場合、場合によっては以下の警告が出るかもしれません。これは「Yes」をクリックして下さい。
パーティションを切るか切らないか
続いて以下のような画面になります。どんな方法でインストールするかについてです。ここが、Linux初心者を悩ませるところだと思います。
ちなみに今回はもともとWindows XPが入っているSSDにChaletOSをインストールしようとしています。
そういった場合、以下の3つのラジオボタンのどれかにチェックしないといけません。
デュアルブートはしない
まず先頭の「Install ChaletOS alongside(別のOS名)」は簡単に言うと、SSD、ハードディスクに既にインストールされた別のOSとデュアルブートする方法です。
非常に高度な知識が必要なので、上級者以外は選択しないようにしましょう。ちなみに、当然ですが空のSSD、ハードディスクを使う場合は、この項目自体表示されません。

空のディスクにインストールする場合の例。インストール方法は2種類だけになる 出展:Install Ubuntu 16.10 Linux Desktop Edition
パーティションを設定しない場合
Linuxのベテランの方、あるいは入念に勉強された方の中には、インストール時に手動でパーティション設定をするかどうか、もう決めている方も多いと思います。
私も初心者ですが、Linux移行前に半年程勉強をしていたので、この画面でパーティショニングするかどうか選ぶ必要があることも知っていました。しかも古い書籍で勉強していたので、手動でパーティション設定するのが当たり前だと思っていました。
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Erase disk and install ChaletOS
しかし、とりあえずパーティション設定の事は考慮しない、またはパーティションの事が把握しきれていない場合、「Erase disk and install ChaletOS」をチェックし「Continue」ボタンをクリックすることで、ChaletOSはインストールは出来ます。もちろん今回のようにWindows XPなど別OSが既に入ったハードディスクを使う場合、OS情報も含めて全情報は消去・上書きされます。
「Continue」をクリックした後、以下と同内容の警告が出るので「Continue」をクリックします。

Ubuntuの場合の画像ですが文面はほぼ同内容 出展:Install Ubuntu 16.10 Linux Desktop Edition
絶対に1回では完結しない
今回無事にChaletOSのインストールが成功しても、やはりWindowsとは全く別OS。最初は分からないことが多いため、一度袋小路に入ったら抜け出せず、仕方なくChaletOSをインストールし直すことは当然、【数回はある】と思って下さい。
今回、手動パーティション設定の事が分からなかった方は、次回どっちにするか選べば良いと思います。チャンスは何回かあるはずです。
どうしても、パーティション設定のことが分からなければ、その際は手動パーティション設定はしなくても良いと思います。分からないまま設定するほうが危険です。その代わり必ず定期的・頻繁に「/home」以下のディレクトリのバックアップを取って下さい。
手動パーティションの設定についてはUbuntuTips/Install/CreateSeparateHomePartition - Ubuntu Japanese Wikiをご参照下さい。※ただしこの情報も2012年と古いです。最近のUEFIには対応した情報ではありません。
手動でパーティション設定をする場合
手動でパーティション設定をされる方は、もうご存知だと思いますが、一番下の「Something else」を選択し「Continue」をクリックして下さい。
以下は私のパーティション設定です。ThinkPad X200sは「UEFI」未対応なので「EFIブートパーティション」は作成していません。
以下の画面も「Continue」で進みます。
Tokyoのままで
手動パーティション設定をした方も、そうでない方も次は以下の画面になります。
すでにTokyoが選ばれていると思います。そのまま「Continue」をクリックします。
キーボードレイアウトもJapaneseのままで
次に以下の画面に遷移します。既に「Japanese」が選ばれていれば問題ありません。そのまま「Continue」をクリック。
ユーザー情報の入力
次はユーザー情報を入力する画面になります。「Pick a username」で設定したユーザー名がログインする時のユーザー名となります。なおかつ「/home/(ユーザー名)」というディレクトリが作られます。そこがあなたの専用領域になります。
上記のユーザー情報を入力して、「Continue」をクリックすると、いよいよインストールが始まります。
インストールの完了までには最低でも20~30分ぐらいはかかるでしょう。しばらくしインストールが完了すると以下の画面がポップアップしてきます。ここは「Restart Now」をクリックし再起動します。
ここまでがChaletOSインストールの第1段階です。しかし、再起動(Restart)後以下の2つの作業が必須になります。
- Language Supportによる日本語化
- ソフトウェアの更新
これらも続けて説明します。
日本語化の際もインターネット接続が必須
さて早速再起動の際、先ほど入力したユーザー名が表示され、パスワードを入力しログインしたと思います。
実際、その後再起動した直後は、以下のような画面になります。最初のライブ環境と同じ警告が出ます。今度はこの警告を利用して、日本語化を始めます。
しかし、その前にインターネットにつながっていることを必ずご確認下さい。特に無線Lanの方は。最初の再起動では、ライブ環境時に設定した無線Lanの情報は消えています。ですから無線Lanの方は最初オフライン状態です。
必ずもう一度右下の電波マークをクリックして、インターネットに再接続して下さい。次回の起動時から、無線Lanへの自動接続が可能になります。

Wi-Fiの設定はデスクトップ右下にある
インターネットにつながっていることを確認しましたら、警告の左下の「Run this action now」をクリックします。
上記の画面になりますので「Update」をクリックします。すぐに以下の画面が表示されます。
数秒後、今度は以下の警告が出てきます。ここは「Install」をクリックします。クリック後、パスワードの入力が求められますので入力します。

インストール時に設定したパスワードを入力
必要なソフトやフォント等のインストールが始まります。

必要なソフト、フォント等がインストールされる
Language Supportからも進めます
先ほど再起動直後に出る警告を利用して、日本語化を始めると説明しました。
しかし中には、「Incomplete Language Support」という警告を消してしまった方もいると思います。その場合は、デスクトップ上の「Settings」をダブルクリックして下さい。
以下のSettingsの画面が開きます。その中に「Language Support」というアイコンがありますので、ダブルクリックして下さい。
以下の様に先ほど説明した画面と同じものが出てきますので、先述の手順で進んで下さい。
日本語化の手順
必要なソフト、フォント等のインストール完了後、以下の「Language Support」の画面が前面に表示されます。
薄くなっていますが、下の方に「日本語」があります。この日本語をドラッグし一番上まで持ってきます。また、「Keyboard input method sysytem」を「XIM」→「fcitx」に変更して下さい。
日本語が一番上になっていること、「fcitx」が選択されていることを確認し、「Apply system-Wide」をクリックします。
パスワードが求められますので入力します。入力後「Authenticate」をクリックして下さい。
Regional Formatsの設定
今度は同じ「Language Support」の「Regional Formats」のタブをクリックします。
一番上の言語は既に「日本語」になっているはずです。万が一なっていなかったら「日本語」を選択し、以下のような状態にします。
ここで「Apply System-Wide」をクリックします。その後「Language Support」は右下の「close」で閉じます。
これで日本語化の手順は完了です。ただし、大抵の場合以下の警告が残ったままだと思います。その場合は、「close」で閉じて大丈夫です。
日本語化が有効になるのは再起動後になります。
しかし以前述べた「ソフトウェアの更新」も作業終了後、再起動が必要となります。ですから、ここでは敢えて再起動せず、そのまま「ソフトウェアの更新」まで完了させます。そうすれば、再起動が1回で済みます。
最適なサーバー(Best Server)の設定
「ソフトウェアの更新」を行う前に、最適なサーバー(Best Server)の設定が必要です。まずはデスクトップ上にある「Settings」のアイコンをダブルクリックします。
Settingsの画面の半分ぐらいスクロールすると「System」というグループがあります。そこに「Software & Updates」というアイコンがありますので、ダブルクリックします。
上記の画面に移ります。下の方に「Download From」のプルダウンをクリックします。ここで一番下の「Other」をクリックします。
上記の画面になりますので、右上の「Select Best Server」をクリックします。
OSが貴方のPCロケーションにとって最適なサーバーを自動で探してくれます。
OSが探してくれた最適なサーバーが、そのまま選択された状態(背景が水色)のまま「Choose Server」をクリックします。パスワードが求められますので入力します。
その後「Software & Updates」の画面に戻りますので、「close」をクリックします。
すぐに下記の画面になりますので「Reload」をクリック。
cacheのアップデートが始まりますので、完了を待ちます(すぐ終わります)。
cacheのアップデートが完了したら最適なサーバーの設定は完了です。もし「Software & Updates」の画面が残っていたら「close」で閉じましょう。
ソフトウェアの更新
最適なダウンロードサーバーの設定が終わりましたら、いよいよ「ソフトウェアの更新」です。最適なサーバーの設定後も、まだ「Settings」の画面が開いていると思います。その中にある「Software Updater」をダブルクリックします。以下のような画面になります。
その後以下の画面になりますので、「Install Now」をクリックします。すぐパスワードが求められますので、ご入力下さい。

インストール時に設定したパスワードを入力
パスワード入力後、実際にアップデードが始まります。
アップデート終了までには結構な時間(少なくとも30分以上は)が掛かります。時間を無駄にしないためにも、その間に壁紙を変更するなど、色々設定をいじってみるのも良いかもしれません。または以前の記事で紹介したとおり、「What is new in ChaletOS」と「Get AppGrid」は不要だと思うので、削除していても良いと思います。
とは言いつつも、実はアップデート中いくつか警告、エラーが出てくるはずです。
アップデート中の警告・エラー
「ソフトウェアの更新」中に出てくる警告、エラーは、いつインストールしたかによってまちまちだと思います。今回(2017年3月26日)にインストールした際には、3つ警告が出てきました。
そのうち1つは私のPC固有のエラーだと思います。ですから同じような時期にChaletOSをインストールした方には、そのエラーを除いた警告が1つとエラーが1つ、合計2つが出てくると思います。
ただしエラーの方は「ソフトウェアの更新」中には解決は出来ません。とは言え、致命的なエラーでもありません。その解決方法については別記事でご説明します。
Replace your changes in '/etc/lsb-release’
まず初めに出たのは、「Replace your changes in '/etc/lsb-release’ with a later version of the configuration file?」です。この警告は「Replace」を選びましょう。警告の下の方に「it is usually safe to replace it」とも書いていますし。
まずこの「lsb-release」なのですが、一言で言うと「バージョン報告ユーティリティ」のアプリケーションのことらしいです。※参照Debian -- sid の lsb-release パッケージに関する詳細
直近の2017年2月13日にUbuntuが16.04.1→16.04.2へアップデートがされました。恐らくそれが関連しているものだと「初心者ながら」思いました。私が本番環境を構築していた1月頃には出てこなかった警告だと記憶しています。
実際「Replace」にしてアップデートした後、「lsb-release」を使ってOSのバージョンを確認したのが以下の画像です。
ちゃんと「16.04.2 LTS」になっていました。ここは「Replace」を選んで全く問題はないでしょう。事実「Replace」にしてインストール後、何の不具合、エラーも発生していません。
Configuring grub-pc
今度は以下の警告が出てきました。これは多分私の環境の問題だと思います。皆様の環境ではこの警告は出ない可能性は十分あると思います。出ていなければ、読み飛ばして下さい。
私は今回、同一のPCでSSDだけ交換して再度ChaletOSをインストールし直しました。この辺りの事が影響しているのではないかと初心者ながら推測しています。
もしこの警告が出てしまった場合、「grub-pc」について熟知していて、こだわりがある方以外は、そのまま「Forward」で問題はないでしょう。
まず「grub-pc」についてですが、一言で言えば「移植可能で強力なブートローダ」だそうです。※参照Debian -- wheezy の grub-pc パッケージに関する詳細
「grub-pc」についてこだわりがあるのなら、プルダウンから「show the differences between the versions」を選択し、現在のバージョンと「package maintainer」のバージョンの違いを比較し、どちらにするか決めるはずです。特にこだわりや知識がなければ、「install the package maintainer's version」のまま「Forward」で先に進みます。
私もそのまま「Forward」を選択しインストール完了しましたが、何のエラー、不具合も出ていません。
Failure to download extra data files
次に出てきたのが以下のエラー画面です。ここで何度「Run this action now」をクリックしても絶対解決しません。
ダウンロードできなかったソフト名を念のため控えて(必須ではない)、あっさり「close」で閉じましょう。今回の場合は「flashplugin-installer」のダウンロードに失敗しました。ChaletOSの場合、必ずと言っていいほど「flashplugin-installer」のダウンロードに失敗します。
それと私が本番環境を構築していた2017年1月頃は「ttf-mscorefonts-installer」というのも必ずダウンロードに失敗していました。今回はたまたまなのでしょうか?
いずれにしても、次回起動後、ふとしたタイミングで同じエラー警告(日本語で)が表示されます。ダウンロードに失敗したソフトは、手動でインストールする必要があります。その方法は、別の記事にします。
アップデート終了後再起動する
上記の警告、エラーをやり過ごした後も「ソフトウェアの更新」は続きます。その後しばらくすると以下の画面が出てきます。これで「ソフトウェアの更新」が終了です。「Restart Now」をクリックしましょう。再起動が始まります。
初期設定については、あともう1つだけ補足説明があります。もう少しだけおつきあい下さい。
Fcitx、Mozcの設定
再起動し、ChaletOSが起動しましたら、いよいよ最後の設定です。日本語化が適用されているはずですので、以前は「Settings」と呼んでいた物が「設定マネージャー」になっていると思います。「設定マネージャー」をダブルクリックします。
設定マネージャーの中のメニューも日本語化されているはずです。設定マネージャーの画面一番下までスクロールします。
そうすると「Fcitx 設定」という項目があります。「Fcitx 設定」を起動します。起動後以下の画面、「入力メソッドの設定」になります。
この中にある「Mozc」とはLinux版の「Google 日本語入力」のことです。デフォルトで日本語入力が出来るようにしたい方は、2段目にある「Mozc」をクリックし、最下段にある上向き矢印をクリックし一番上に持ってきます。
大多数のサイトでは上記設定を推奨していいます。
しかし私は変態なので、あえて「Mozc」は2段目にしています。この場合、デフォルトは「ひらがな」などの日本語入力でなく「半角英数」になります。日本語入力したい時に、次に説明するホットキーで「Mozc(Google 日本語入力)」を起動し日本語を入力しています。
この辺りは後から、どのようにでも変えられます。
入力メソッドのオンオフ設定
次に同じく「入力メソッド」の画面の「全体の設定」タブをクリックします。一番上に入力メソッドのオンオフという項目があります。
簡単に言えば「Mozc(Google 日本語入力)」をどのホットキーでオンオフするかの設定です。
初期状態では「Ctrl+Space」か「半角/全角」キーの両方、つまりどちらでも「Mozc」(=Google 日本語入力)のオンオフができます。「半角/全角」キーの方は問題ないと思いますが、「Ctrl+Space」については好みがあると思います。変更されたい方は「Ctrl+Space」をの所をクリックし、新しいホットキーを設定して下さい。
大変長くなりましたが以上がChaletOSのインストールから初期設定までの説明です。
ただし、「ソフトウェアの更新」中にダウンロードに失敗した「flashplugin-installer」、場合によっては「ttf-mscorefonts-installer」は手動でインストールする必要があります。その方法については近日中に、別の記事で説明したいと思います。
最後までお読み頂き、本当に有難うございました。