ハードディスク(移行HDD)は消耗品。
いくら新品であっても、たった1年でダメになることもあります。その一方で10年以上も使えたという話もあります。
ただそうは言っても、HDDの寿命は大体4年とするのが無難です。長く使い続けるほどば、故障のリスクは相応に大きくなります。
ThinkPadのススメ
私はThinkPadの大ファンです。2008年からThinkPad一筋。
パソコンは大体2年周期で買い換えています。
今年の5月が、ちょうどその買い替え時期。そこでThinkPad T510→T530へ買い替えをしました。これでThinkPadは6台目。

PCの変更に合わせてセカンドHDDも交換しようとしまた。
そこで信じられない事件が起こりました。
セカンドHDDとは
本題に入る前にまず、セカンドHDDとは何か説明したいと思います。
ThinkPadのTとWシリーズ(昔のRシリーズも含む)は「ウルトラベイ」というシステムが採用されています。
ウルトラベイとは簡単にいえば「着脱可能なドライブ」のことを言います。ドライブとは「補助記憶装置」のことです。具体例としてはDVDドライブ、HDDドライブなどがあります。
この機能を搭載したモデルでは、不要であれば、光学ドライブ(例:DVDドライブ等)簡単にを取り外すことが出来ます。しかもUSBメモリのように、PCが電源オンの状態でも簡単に着脱が出来ます。この機能を「ホット・スワップ」といいます。
ハードディスクドライブ・ベイアダプター
ウルトラベイ対応のThinkPadでは、光学ドライブを取り外して、そのかわりに「ハードディスクドライブ・ベイアダプター」という物が簡単に取り付けられます。「ハードディスクドライブ・ベイアダプター」とは、2.5インチのHDD、SSDが搭載可能なトレイ(入れ物)のことです。
「ハードディスクドライブ・ベイアダプター」に「自分の好きなHDD」を載せて、本体に装着することで、すごく簡単に2台目のHDDが搭載出来るのです。こうして追加された2個目のHDDのことを「セカンドHDD」と言います。

ノートPCなのにデスクトップみたいに複数のHDDを搭載できる。もちろんバックアップ用のドライブとして使うことも可能。こうした使い勝手の良さが、ThinkPadの魅力の1つです。
もちろん、セカンドHDDもホット・スワップ対応です。
オンラインストレージなんて本当に無駄で不要
USBメモリが普及した現在、光学ドライブを常に装着する必要はあるのでしょうか?むしろ、必要な時だけ使用する方が合理的です。ユーザーが使いたいドライブに簡単に付け替えられる。このカスタマイズ性の良さと合理性はThinkPadの哲学です。大好きです。
さて、こうしてセカンドHDDが搭載できると、オンラインストレージを使わなくても簡単にバックアップが取れます。
ちなみに私が所有している記憶装置は以下のようになっています。
- メインドライブ(Cドライブ)はインテルSSD180GB
- セカンドHDDは1TB
- 外付けHDD320GBもある
- 8GBのUSB3.0メモリもある
- 重要なデータはBDやDVDへ(←着脱式の光学ドライブで焼ける)
- さらにネットワークオーディオ用の1TBのNASもあり
6種類もの記憶装置がある。もう記憶装置マニア、変態ですね。
オンラインストレージだって物理的記憶装置
恐らくセカンドHDDの利便性を享受しているユーザーの中には、少なからず以下のように思っている人もいると思います。
「No! online storage, No more accounts!」

最近のPCは標準でEvernoteなどが、また、あの消費者庁をも動したゲスOS:Windows10ではOneDriveが標準搭載されています。
Evernoteに関しては「Never!note」、OneDriveは要りません。シャレじゃないですけど、ThinkPadユーザーの多くはOneDrive(1個だけのドライブ)でなく、OneMoreDrive=セカンドHDD(私の場合は1TB)を有しています。OneDriveの「5GB」なんて屁のような存在です。
ちなみに私がオンラインストレージをそこまで嫌う理由は以下のとおりです。
- 通信時間がかかる。時間がもったいない
- 一方ローカルHDDは超高速データ転送
- 通信時に情報漏洩の可能性あり
- サーバーがウィルス感染したら、そこでも情報漏洩の可能性あり
- オンラインストレージとて【物理的HDD】。いつ壊れてもおかしくない
- アカウトがどんどん増えて嫌だ
- サービス提供者の都合で、突然のサービスの停止、サービス内容変更がある
オンラインストレージサービスは、別に慈善事業ではありません。利益目的です。ですから、いつ内容変更されても文句は言えません。最初の「利用規約」のところにその旨も書いているのでしょう。「同意」をクリックしたら、一切文句は言えません。
ウルトラベイは神システム
かく言う私も、1つだけオンラインストレージ使用しています。しかし、それを利用する際は、壊れてもいいもの、重要情報の入っていないもの、かつ軽いデータしか利用していません。
ネット上にデーターを保存することには、必ず上述の「危険性」が伴います。本当は怖くて1個もオンラインストレージは使いたくないのです。
危険だから使わないという理由もありますが、セカンドHDDが本当に便利すぎて、オンラインストレージを使う理由が見当たらないということの方が本心です。
ThinkPad良いですよ。ウルトラベイは神システムです。
健康で何の不便も無かった
変更前のThinkPad T510で使用していたセカンドHDDはとても快適に使えていました。以前使用していたのは、日立500GB 「HTS545050B9A300」でした。
しかし、これもちょうど4年目を迎えていたので、パソコン変更と同時に買い替えをしようとしたのです。
この「HTS545050B9A300」は接続方式がSATA2、物理転送3.0Gb/s。これでも十分速いのですが、最近のHDDはSATA3接続方式、物理転送6.0Gb/sが浸透しつつあります。
今度のセカンドHDDはSATA3.0方式にしてみようと思ったのです。
SATA3 6.0Gb/sのはずだったのに
そこで選んだのが日立製「HTS541075A9E680」、750GBタイプ。1TBの物もありましたが、少しだけ高かったので、750GBに決めました。旧来からThinkPadには日立製のHDDが搭載されることが多かったです。実際に使用してみて、日立製は信頼できると思っていたのも、この商品に決めた理由の1つでした。

ただ、何と言ってもSATA3 6.0Gb/s対応で一番手頃だったのが最大の決め手でした。

ショップもSATA 6.0Gb/sと謳っていた
ということで早速Yahoo!ショッピングで購入をしてみました。たったの4,980円(税込)でした。当時はキャンペーンで送料も無料でした。
実際に使ってみました。すぐに違和感に気づきました。
そんなに転送速度が速くないと。
そこでCrystalDiskInfoにて調べてみました。
その結果がこれです。

対応転送モードがSATA/300になっています。つまりSATA2 3.0Gb/sで接続されていたのです。
本体にもSATA 3.0Gb/sと記載あり
「やだな~。怖いな~」と思いつつ、本体を取り出してみました。なんと本体にはしっかりと「SATA 3.0Gb/s」と書かれていたのです。
公式のスペックと違っていたのです。
購入して翌日にはこの事実が判明しました。幸い購入後7日以内だったため、特別に注文をキャンセルをしてもらいまいした。
それでもショップ側は「絶対にSATA3.0 6.0Gb/s」のはずとゴネてきました。負けずにCrystalDiskInfoのキャプチャや本体の写真を送ったら、「調査します」と言ってキャンセルに対応してくれました。
現在そのショップでは、この商品「SATA 3Gb/s」と表記して「同じ値段で」まだ売っています。
AmazonでもSATA 3G.0b/sと記載
この事実が分かったのは、2016年6月10日の話。
今では最大手のAmazonでさえ、この商品については「■インターフェース:Serial ATA200(3.0Gb/s) 」として売っています。
最大手がそう記載しているのですから、間違いなくこの商品はSATA2.0 3.0Gb/sの商品だと言えます。信じられませんが、公式ページのスペックの方が間違っているのです。
今回の件で日立さんへの信頼は薄らぎました。
HDDではSATA2とSATA3とでは速度差なし
無事、「HTS541075A9E680、750GB」を返却し、かわりに買ったのが、WESTERN DIGITALの「WD10JPVX 1TB」です。
こっちはちゃんとSATA3.0 6.0Gb/s規格でした。
しかしやはり何かがおかしい。
以前使っていたSATA2 3.0Gb/sの日立500GB 「HTS545050B9A300」とあまり速度差が無いと感じました。
HDDは回転数やキャッシュ容量で選びましょう
問題のあった「HTS541075A9E680」(実際はSATA2 3.0Gb/s)の750GBは速攻で返却。
以前セカンドHDDとして使っていた、「HTS545050B9A300、500GB」(こちらもSATA2 3.0Gb/s)は、かわりの「WD10JPVX(SATA3 6.0Gb/s)1TB」の到着と同時にヤフオクへ即ドナドナ。
急いでいたせいで、肝心のベンチマークを取るのを忘れてしまいましたが、どうやらHDDではSATA2 3.0Gb/sとSATA3 6.0Gb/sではあまり速度差が出ないようなのです。

上図にあるように、2つの規格で明確な速度差が出るのはSSDの方。
SSDをメインとして使う場合は、お使いのPCがSATA3 6.0Gb/sに対応していないと、その性能をフルには生かせないようです。
回転数とキャッシュ容量が全く同じだった
以前のセカンドHDD、SATA2 3.0Gb/sの日立500GB「HTS545050B9A300」と今回購入した「WD10JPVX(SATA3 6.0Gb/s)1TB」は規格と容量こそ違え、以下の2点が共通していました。
- 回転数:両方5400rpm
- キャッシュ容量:8MB
両者とも、HDDの速度を決める2つの要素が同じだったので、速度差をほとんど感じることが出来なかったのです。
ここ4,5年はPCを買ったら即SSDへ換装をしていました。
ですからHDDの仕様についてはここ数年不勉強でした。今回はセカンドHDDという補助的なHDDなので、そこまで速くなくても後悔はしてません。しかし、もう少し勉強しておけば過度な期待はせずに済んだとと反省はしています。
こんな苦い思いを皆様にはして欲しくはないので、最後にもう1度繰り返します。
- HDDに関してはSATA2とSATA3の速度差はほとんど無い
- HDDを速さ重視で選ぶなら、回転数とキャッシュ容量を重視する
以上、今回の苦い体験と教訓が皆様の快適なデジタルライフのお役に立てれば幸いです。