2017年1月、私は「FirefoxをOpera12風にする11個のアドオン、さようならVivaldi」という記事を投稿しました。そこでFirefoxをOpera12(Presto版)に近づける方法をご紹介しました。
Firefox57は全く使い物にならない
Firefoxをメインブラウザにした頃にはすでに、Firefox57からは「WebExtensions」非対応のアドオン、「レガシーアドオン」が使えなくなることを知っていました。しかし当面先の話、ほとんどのアドオンが「WebExtensions」に対応するだろうと高をくくっていました。
しかし現実は予想とは正反対。
私が今利用中のアドオンのなんと100%近くに「旧式」(=レガシーアドオン)というラベルが付いています。Firefox57のアップデートまであと1ヶ月程度なのに。
誰が見てもこれらのアドオンが使えなければ、Firefoxは一気に「無機能」ブラウザに。どうしたら良いか真剣に悩みました。
さようならFirefox57
こういう時は悩むより行動を。ちょうどFirefoxのNightly版がバージョン57だったので、Nightly版をインストールしてみました。
ハッキリ言って使えませんでした。不便この上なし。Internet Explorer(IE)にオマケが付いた程度の「低機能」ブラウザ。ほぼガラクタ。
実際、有名または定番なもので「FIREFOX57 以上に対応」のアドオンは以下の4つぐらいでした(執筆時点)。
- Basic Gestures(など幾つかあり):FireGesturesに相当
- Stylus (Beta) :Stylishに相当(でもベータ版で不安定)
- uBlock Origin
- Violentmonkey
まず根本的に「Tab Mix Plus」が使えない時点でアウトです。あとは「Menu Wizard」、または「All-in-One Sidebar」などに相当するアドオンが無いとカスタマイズさえ不可能。また洗練されたデザインでかつ使いやすい「Speed Dial [FVD]」も利用不可。
VivaldiはやっぱりChrome
Nightly版でしたが、Firefox57は全然使えないことが確認できました。次に行うべきは代わりのブラウザを探すこと。と言っても、現在はChromeを筆頭としたBlink系のブラウザがシェアを独占状態。レンダリングエンジンが同じなら、根本的には同じブラウザです。ですから実質的な選択肢は極めて少ないのです。
それであれば少しでも勝手を知っているVivaldiを第1候補にしました。ということで、1年以上ぶりにVivaldiを使用。
Nightly版ですが無機能Firefox57を試した後だったせいか、意外と使いやすく感じました。このままVivaldiでも良いかと思った矢先、納得できない現象に遭遇。
Blinkはドメイン毎に保存先を設定できない
Firefoxの場合、訪問したページ(ドメイン)毎にファイルを保存した場所を覚えていてくいます。
しかしVivaldiはそうではありません。ドメインとファイルの保存先が結びついていません。ですからいちいちファイルの保存場所を指定し直す必要がありました。
念のため、同じBlink系のOpera(Blink版)でも試しましたがやっぱり同じ。以下のような拡張機能を使いましたがそれでも解消せず。
やはり原因はBlink側にありました。説明すると長くなるので下記サイトをご参照。
【Chrome拡張】ファイルの種類やドメインで保存先を切り替えてくれる「Downloads Router」が便利! | えんぞーどっとねっと
使いにくい。いや本当に使いにくい。
Chrome、Blink系ブラウザと私は「犬猿の仲」。そう痛感しました。もうあっさりBlink系ブラウザは捨てて、他のブラウザの捜索を再開。
Pale Moonしかない
早速他の代替ブラウザを探し始めたのですが、なかなかうまく行きません。原因の1つはOSです。私はもう「脱Windows」に成功しました。現在ChaletOS(Linux)のみ使用しています。
Linux対応のブラウザは皆無ではないものの、Windowsに比べれば圧倒的に少ないのです。とは言え試せるものはほぼ全て試しました。
そこで至った結論は、Firefox57難民の方には「Pale Moon - Wikipedia」が最もおすすめだということです。
なぜならFirefoxの「レガシーアドオン」が意外と多く使えるからです。
「現代化」され「無機能化」されたFirefox57なんかよりは「Pale Moon」の方が圧倒的に便利で快適です。
他に試したブラウザ達
ちなみに「Pale Moon」の他には以下のようなブラウザを試してみました。
WebKit系
- Arora
- Midori
- QupZilla
※どれも悪くは無いが拡張性に乏しいため却下。
Gecko系
- SeaMonkey
予想に反して使えるアドオンがほとんど無いためボツ。
その他
Opera12(Presto版)をインストール
さすがにもう1世代前のブラウザと再認識。
Otter Browser
まだ実用的ではない。開発がやたら遅い。既に4年以上経過している。
Pale Moonの日本語化・初期設定
Firefox57難民におすすめの「Pale Moon」。インストール自体は簡単です。またWindowsユーザーにはポータブル版もあります。
しかし日本語化を含めた初期設定はやや複雑です。ですので順を追って説明をします。まずは日本語化です。
まずReleases · JustOff/pale-moon-localization · GitHubを訪れて下さい。以下のような画面になります。
その中に「ja.xpi」という項目がありますので、クリックしインストールします。しかしこれだけでは日本語化は完了しません。
次にアドレスバーに「about:config」と入力し「Enter」。例の画面に入りましたら「Search」欄に「general.useragent.locale」と入力。
その行をダブルクリックし「Value」を変更します。
「en-us」→「ja」に変更後、再起動すると「Pale Moon」の日本語化が完了します。
検索エンジンにGoogleを追加
「Pale Moon」のデフォルトの検索エンジンは「DuckDuckGo」です。それはそれで構わないのですが、デフォルトの検索エンジンリストには「Google」が入っていません。
「Search Plugins」を使って「Google」を検索エンジンに追加する必要があります。そのためにはまず「Pale Moon」ホームページ上部の「Add-ons site」のタブをクリックします。
「Pale Moon Add-ons Site」に進みましたら、「Search Plugins」のタブをクリックします。
検索エンジンの一覧が表示されます。その中で「Google」をクリックしインストールします。
Toolbarize Menu Buttonでメニューボタンを再現
「Pale Moon」のUI(ユーザーインターフェース)にはFirefoxといくつか違う点があります。その1つがメニューボタンが無いという点です。
大体同じ役割のものはありますが、ボタンではなく「Pale Moon▽」というメニューです。
しかも「Pale Moon▽」はどうしても画面の左上から離れてくれません。
“てこ”でも動きません。しかし、この「Pale Moon▽」をボタン化し、なおかつレイアウト変更可能にするアドオンがあります。それが「Toolbarize Menu Button」という「Pale Moon」用のアドオンです。
インストールが完了すると「Pale Moon▽」メニューがFirefoxでおなじみの三本線のメニューボタンを変わります。そのボタンは好きなところに配置することができます。必須ではないですが、とても便利です。
アドオンのインストール方法
順番が前後して申し訳ありません。「Pale Moon」にアドオンをインストールする方法を紹介していませんでした。方法はいくつかありますが、「Ctrl+Shift+A」のショートカットキーで以下の画面を呼び出すのが一番楽だと思います。
基本的には左側の「Pale Moon Add-ons Site」をクリックして次のページで「Extensions」タブをクリックすると「Pale Moon」用のアドオンが一覧が見られます。
気になるアドオンがありましたら、アドオン名をクリック。先程のような説明画面(英語)に遷移しますので、「Install(アドオン名)」のボタンをクリックするとアドオンがインストールがされます。
しかし、希望のものが無い場合は右側「Mozilla Add-ons Site」の方をクリックします。「Mozilla Add-ons Site」と書いていますが、Firefoxのアドオンサイトです。
または先程の「Pale Moon」用アドオンサイトの右上「More」タブをクリックすることでもFirefoxのアドオンサイトへ移動できます。
PDF.jsはMoon PDF Viewer
さて初期設定に戻ります。実は「Pale Moon」にはPDFビューアが付属していません。
しかし「Moon PDF Viewer」という「Pale Moon」用アドオンがあります。ユーザーインターフェース(UI)はFirefoxの「PDF.js」とほとんど変わりません。これも最初に入れておくべきアドオンでしょう。
FireGesturesではなくMouse Gestures Suite
さてここまで「Pale Moon」における基礎的な設定をお伝えしました。今度は「Pale Moon」でFirefoxの使い勝手を再現するアドオンについて取り上げます。
「Pale Moon」を使い始めて、まず不便に感じるのがマウスジェスチャーが使えないことだと思います。残念ですが「Pale Moon」用アドオンにはマウスジェスチャー系のアドオンがありません。
Firefox用のアドオンで定番の「FireGestures」もご覧の有様。インストールできません。
しかし同じくFirefox用のアドオンで「Mouse Gestures Suite」というものがあります。これならインストールできます。
Tab Mix Plus使えます
Firefoxユーザーには必須と言えるアドオンがもう1つあります。それは「Tab Mix Plus」です。実はこれ「Pale Moon」用アドオンの中にあります。
しかもFirefoxの設定データのインポートもできます。移行はとても楽です。やっぱり「Tab Mix Plus」があるのと無いのとでは全く話が違います。これこそが私がFirefox57を捨てた理由でもあります。
ではこの勢いのまま「Pale Moon」をOpera12(Presto版)風にし、さらに便利なブラウザに仕上げる方法をご説明したいと思います。
見た目と機能をOpera12風にするアドオン
これからは以前の記事「FirefoxをOpera12風にする11個のアドオン、さようならVivaldi」に沿った形で、「Pale Moon」をOpera12風にするアドオンを紹介していきます。
その前に「Pale Moon」にはOpera風のテーマがあります。まずは以下の「PMOpera」をインストールしましょう。
Speed Dial [FVD]使えます
前回紹介した一押しのスピードダイヤルのアドオン、Speed Dial [FVD]、「Pale Moon」で問題なく使えます。ただし「Pale Moon」用アドオンはありません。Firefox用のアドオンサイトにてインストールする必要があります。
Firefoxの設定データを「Pale Moon」でインポートすることも出来ます。やはり移行はかなり楽です。
FindBar Tweakもあります
「Pale Moon」でも「ページ内検索」はページ最下部に現れます。悪しき伝統です。ただし、Firefoxの時と同じように「FindBar Tweak」(Pale Moon用)で上部に移動させることができます。
一応「Pale Moon」用のアドオンなのですが、最新の「Pale Moon27」と相性が悪く動作はいまいちです。しかし、ページ内検索を上部に表示させることに関しては問題ありません。
O'NotesではなくNoteStruck
前回は「O'Notes」というアドオンを追加することで、Opera12の様なノート機能が追加できると説明しました。
しかし結論を申しますと「Pale Moon」ではサイドバーでノートを管理する機能は実現できません(執筆時点)。その代わり「NoteStruck」という地味に便利なアドオンがあります。
このアドオンの大きな特徴はノートの表示方法が3つあるということです。
- Windowモード
- Tabモード
- Application-contentモード
より広く自由にノートが取れます
Windowモードは下図のように、独立したノートウィンドウが開きます。サイドバーように横幅を気にせずノートが取れます。
Tabモードは下図のように新しいタブが開きます。ブラウザの画面一杯使ってノートが取れます。※しかしあまりメリットは感じません。
Application-contentモードは下図のようにページ下部にノートが現れます。これも横幅が広く使うことができます。このモードも結構好きです。
いずれのノート画面も「Esc」キーで簡単に閉じることができます。とても軽快です。確かにサイドバーでノートを管理できませんが、こっちの方がスペースを気にせず書き込めるというメリットがあります。私はこちらの方が「よりノートらしい」と思います。
慣れるまで少し時間がかかりますが、慣れたらNoteStruckも十分便利です。
どうしてもサイドバーでノートをという方にはFirefoxのアドオンですが「QuickNote :: Firefox 向けアドオン」が「Pale Moon」でも使えます。ですが高機能ではないです。NoteStruckの方をおすすめします。
QuickPrint使えます
「Pale Moon」にも右クリックメニューに印刷メニューがありません。しかし、これも以前紹介した「QuickPrint :: Firefox 向けアドオン」を追加すればすぐ解消します。
文字通りFirefox用アドオンですが、問題なくインストール出来ます。
Tab Scopeも使えます
前回紹介した「Tab Scope」ですが、何とかして「Pale Moon」にインストールできます(非推奨の方法)。
まずは、Tab Scope :: Firefox 向けアドオンを訪れて下さい。以下のように「互換性がありません」と表示され、インストールが出来ないようになっています。
しかし次に同じ画面の「他のバージョンを見る」をクリックして下さい。
上記の様に古いバージョンの「Tab Scope」が現れます。この中の「バージョン 1.6.1.1-signed.1-signed」のところの「Firefox へ追加」または「Add to Pale Moon」ボタンをクリックすると、問題なくインストールができます。そして問題なく動作します。
メール機能編
私はOpera(Presto版)の時からメールクライアントとブラウザは分けてきました。しかし前回も紹介した「Simple Mail :: Firefox 向けアドオン」が「Pale Moon」でもインストールできるようです。※動作未検証。
ブラウザと電子メールクライアントは一緒が良いという方は、お試しの価値はあると思います。ただし私は動作検証をしておりません。
RSSフィードリーダーはいまいち
前回の記事でもFirefoxにはなかなか良いRSSフィードリーダーが無いとボヤいていました。しかしその中で、最も実用的だったのが「Brief」でした。
しかし「Pale Moon」に「Brief」はインストール出来ませんでした。そうなると実質的には「Pale Moon27」対応のフィードリーダーは以下の2つになります。
「Bamboo Feed Reader」はとてもモダンです。視認性が高いというメリットがある反面、記事の削除ができないなど独特の哲学がありすぐには馴染めませんでした。
一方「NewsFox」は慣れ親しんだ3ペイン、メールクライアント型のリーダー。分かりやすいというメリットはありますが古臭い感じもしました。また動作が若干不安定という感じもしました。
結局、安定性など考慮し「Bamboo Feed Reader」を使っています。
レイアウトのカスタマイズ
さて以上で機能面はだいぶ使いやすくなったと思います。しかしレイアウトのカスタマイズ性がまだOpera12レベルにはなっていません。
これからはレイアウトやUIをカスタマイズするアドオンについて説明していきます。
The Good 'ol SidebarがAll-in-One Sidebar
前回の記事ではOperaのサイドパネルを再現するアドオンとして「All-in-One Sidebar :: Firefox 向けアドオン」を紹介しました。
しかし、「All-in-One Sidebar」は残念ながら利用できません。とは言えそれと同じの機能を持つ「Pale Moon」用のアドオンがあります。それが「The Good 'ol Sidebar」です。
使い方は「All-in-One Sidebar」と全く同じです。
Menu Wizardも使えます
前回は「右クリックメニューをカスタマイズ」するアドオンとして「Menu Wizard :: Firefox 向けアドオン」をご紹介しました。
Firefox向けアドオンですが、「Pale Moon」で全く問題なくインストールできます。動作に不具合もありません。他のアドオン同様、Firefoxの設定データを「Pale Moon」でインポートすることが可能です。非常に楽です。
「Menu Wizard」が問題なく使えることも、Firefox→「Pale Moon」へ移行する決め手の1つになりました。
Configuration Maniaに近いのがPale Moon Commander
前回カスタマイズ系のアドオンとして最後にご紹介したのが「Configuration Mania :: Firefox 向けアドオン」でした。しかし、このアドオンは「Pale Moon」では利用できません。
Firefoxとはレンダリングエンジンが違うので、当然インターフェイスも全く違いますが、それに一番近いのが「Pale Moon Commander」だと言えます。
「Configuration Mania」と同様、今はもうあまり利用する機会はないと思いますが。
FasterFoxも使えます
これは今はもう不要かも知れません。しかし前回紹介したので一応取り上げます。Firefoxを高速化するアドオンとして「Fasterfox :: Firefox 向けアドオン」があります。
効果の程は分かりませんが、「Pale Moon」でもご利用できます。あくまでも参考のため。
レンダリングエンジンが違うので「FasterFox」をインストールしても効果はないと痛感しました。インストールはおすすめしません。訂正致します。
その他の必須アドオン
前回の記事に沿った形で「Pale Moon」をOpera12のように使いやすくするアドオンを紹介してきました。しかしこれらだけではFirefoxと同等の機能を実装することは出来ません。そこで最後にFirefoxで定番の機能を実現するアドオンを紹介します。
まずは同名で同機能のアドオンです。いずれもリンクを辿ってていただくと、インストールできるようになっています。
- Stylish :: Firefox 向けアドオン
- uBlock Origin:Release 1.14.10 · gorhill/uBlock · GitHub
※外部リンク内の「uBlock0.firefox.xpi」をインストール
Make LinkはEasy Copy
Firefoxユーザーにとって必須アドオンの1つである「Make Link」。残念ですが「Pale Moon」では使えません。しかし、「Make Link」と全く同じ機能を持つアドオンが、Firefox用のアドオンの中にありました。それが「Easy Copy」です。
「Easy Copy」は「Pale Moon」にインストールが出来ます。ですから「Pale Moon」でも「Make Link」と同様の機能が使えるのです。
Greasemonkeyの代わりは Guerilla Scripting
Firefoxでユーザースクリプトを使っていた方の中には「Greasemonkey」を使っていた方も多いと思います。しかし正攻法では「Greasemonkey」は「Pale Moon」にインストール出来ません。
その代わりに「Guerilla Scripting」というユーザースクリプト用のアドオンがあります。
しかし、これは「Greasemonkey」に比べればかなり低機能です。サイトごとのオンオフなど細かな設定が一切できません。
訂正します。「Greasemonkey」も「Pale Moon」の公式アドオンに加わったようです。
やはり「Greasemonkey」という方は、現在はPale Moon - Add-ons - Extensionsからインストール可能です。アドオンの一覧に載っています。
とりあえず「Guerilla Scripting」で問題ないという方はそれで良いのですが、やはり「Greasemonkey」が良いという方には、あくまで非公式ですがやり方はあります(自己責任で)。
Releases · janekptacijarabaci/greasemonkey · GitHubにて「Greasemonkey」をインストールして下さい。そうすると「Pale Moon」でも「Greasemonkey」が利用出来ます。
Hide Unwanted Results of Google Searchはユーザースクリプトで
「Hide Unwanted Results of Google Search」は使っていない人も多いかも知れません。文字通り「Google検索の検索結果から表示させたくない結果を隠す」アドオンです。Chrome、Blink系の拡張機能で言えば「Personal Blocklist」に当たるものです。
実はこのアドオンも「Pale Moon」で利用不可でした。しかもその代替アドオンも見つけられませんでした。しかしユーザースクリプトを駆使することで同等のことが実現出来ました。
下記リンクから「Google Hit Hider by Domain (Search Filter / Block Sites)」というスクリプトをインストールをして下さい。
Google Hit Hider by Domain (Search Filter / Block Sites)
このスクリプトインストール後、Google(やBing)の検索結果の右横に「Block」というボタンが現れます。そのボタンをクリックすることで、検索結果からそのサイトを除外することができます。
ESR版でなくPale Moonを
以上の手順を踏んでいただくと「Pale Moon」でもFirefoxと同等の機能、カスタマイズ性を再現ができます。
しかし、IT識者の多くがFirefox57問題への解決策として「Firefox ESR版」への切り替えを推奨しているように見受けられます。しかしそれはかなり無責任な指摘だと思います。
なぜなら「Firefox ESR版」がバージョン52系でいられるのは2018年の6月までだからです。
一方Firefoxがバージョン57になるのは2017年の11月14日(予定)。つまり「Firefox ESR版」への乗り換えは単なる「先送り」。約半年間だけの。
なぜこうした提案になるのか。それはNightly版ですがFirefox57を実際に使ったからです。
多くのレガシーアドオンを失ったFirefoxが、使い物になるまでに相当な時間、年単位の時間がかかると痛感したからです。ですから「Firefox ESR版」に移行してたったの半年程度、時間稼ぎしても根本的な問題は一切解決されないのです。
ノルウェー版Operaから学ぼう
ESR版ではなく「Pale Moon」を。異端な意見ですが、こう思うのには訳があります。
私は10年以上Opera(Presto版)を使い続けてきました。そこに2013年Presto版の開発中止のアナウンスが。とても悲しいことでした。しかしその後の対応は「さすがOpera」と感じました。
なんとBlink版Operaをリリースした後もかなりの間、Presto版Operaと同時に利用することが出来たのです。
実質的にはFirefox57とレガシーFirefoxとは別ブラウザ。だったら57以降のFirefoxは別名ブラウザにし、旧来のFirefoxと併用できるようにすればいいのにと、元Opera(Presto版)ユーザーは思いました。
しかしそれが叶わないのですから、Firefoxと瓜二つの「Pale Moon」を活用することでしか、「現代的」で「低機能」なFirefoxとどう付き合うか判断するための長期的な猶予を作り出すことができないのです。