前回の記事では、ChaletOSのインストール、日本語化、ソフトウェアの更新、Fcitxの設定までの初期設定について説明しました。
しかし前回「ソフトウェアの更新」の最中に以下の警告が出て、結局は「flashplugin-installer」はダウンロードできませんでした。
また稀だと思いますが「ttf-mscorefonts-installer」もダウンロードできない場合もあったと思います。
両ソフトとも、最終的には別々のインストールソフトを利用してインストールします。しかし、以前の記事でも紹介したとおり、ChaletOSではそれらのインストールソフトは、本家Ubuntuのものと表記・表現が異なっています。
今回はこうした表記・表現の違いも踏まえながら、それぞれのソフトのインストール方法、エラー解消方法について説明していきます。
debファイルのインストールの参考として
ただし「ttf-mscorefonts-installer」のエラーは、恐らく2017年2月13日のUbuntu16.04.1→16.04.2へのアップデートの際か、その近辺で打開策が打たれたのではないかと思います。そう思う根拠はあるのですが割愛。ですから基本的には、それ以前に発生していたエラーと考えて良いと思います。
だた稀に環境の影響等によって、同エラーが起こることもありえます。
記事の後半「ttf-mscorefonts-installer」のエラー解決方法の説明の際に、ChaletOSで「debファイル」をインストールするための「設定」を説明しています。今でなくとも、今後debファイルを扱う事は「絶対に」あります。後半部分はChaletOSでdebファイルを扱う時のための参考としてお読み頂ければ幸いです。
別の名前になっている
Ubuntu系ディストリビューション(ChaletOSも含む)では、通常以下の2ソフトを使ってソフトウェアのインストール・アンインストールを行います。しかし、その2大インストールソフトが、ChaletOSでは違う表記・表現になっているのです。
- Ubuntu Software Center → Application Center
- GDebi → Application Installer

「Application Center」が「Ubuntu Software Center」、「Application Installer」が「GDebi」
今後ChaletOSで困った事があっても、本家Ubuntuの情報を参考にすれば大体は解決できます。しかし、上記ソフトの表記・表現の違い常にを念頭に入れていないと、有用情報を入手しても頭の中がグチャグチャになりかねません。ですからこの違いは早めに覚えまてしまいましょう。
警告を実行しても解決しない
前回はChaletOSのインストールから「Fcitxの設定」まで説明しました。ですから「日本語化」と「ソフトウェアの更新」が終わって、再起動した所までご案内したと思います。
その後、場合によってはすぐ以下の警告が出て来たかもしれません。
しかし、この警告に従って「この操作を今すぐ実行する(R)」をクリックしてもエラーは全然解消されません。一応パスワードの入力が求められますが、入力してもまた同じ画面に戻ってくるだけです。時間の無駄です。
もう無限ループです。ですからこの警告はあっさり「閉じる(C)」で消しましょう。
flashplugin-installerとは
では最初に「flashplugin-installer」のエラー解消方法についてご説明します。
その前にまず「flashplugin-installer」とは何かについて説明します。「flashplugin-installer」とは単に「Adobe Flash Player plugin」をインストールするためのソフトです。
ですから最終的には最新版の「Adobe Flash Player plugin」がインストールがされれば、この警告は表示されなくなります。
「Adobe Flash Player plugin」をインストールする方法は実はいくつかあります。しかし、どの方法も少なからず分かりにくいです。今回はChaletOSのインストール直後である事を想定し、その中で一番簡単な方法をご紹介します。
「Adobe Flash Player plugin」のインストール方法を訂正します
最初、一番簡単な方法として「Application Center」から直接「adobe-flashplugin」をインストールする方法をご紹介しました。
しかし、「Application Center」から直接「adobe-flashplugin」をインストールすることができないとのご指摘がありました。
確実に「adobe-flashplugin」をインストールする別の方法があります。改めてご紹介します。以前の内容は取り消します。ご了承下さい。
AptURLを使用する方法が確実
今回改めてご紹介する方法は「AptURL」を使う方法です。AptURLを使用することで、Adobe Flash PluginのWebサイト上のリンクをクリックすることで、簡単に「adobe-flashplugin」がインストールすることが出来ます。
しかし、ChaletOSにはデフォルトでは「AptURL」がインストールされていません。ですからまずは「AptURL」をインストールする必要があります。
AptURLをインストール
ではまず、デスクトップ一番左下「ChaletOS」ボタンをクリックして下さい。するとWindowsのスタートメニューのようなものが表示されます。このメニューのことを「Whisker Menu」と言います。
「Windowsキー」(Linuxでは「スーパーキー」)を押すことでも「Whisker Menu」を表示できます。ほとんどWindows7と操作性は変わりないですね。この辺りは本家「Ubuntu+Unity」の「Dash」よりは百倍以上使い易いです。
続いて「Whisker Menu」の中の「システム」をクリックします。すると4種類のソフトが表示されます。ここで一番上の「Application Center」をクリックします。
ちなみに「Application Center」の上で右クリックすると以下の画面になります。「デスクトップに追加」をクリックすることで、デスクトップにショートカット(正確にはデスクトップエントリー)を作ることもできます。もちろん他のアプリケーションでも同様の事はできます。これもChaletOSの良い所です。
※ちなみに「パネルに追加」をクリックすると、「タスクバー」(本当はパネルと呼ぶ)の右端にそのソフトのランチャーが追加されます。
Application CenterはUbuntuソフトウェアセンターです
さて「Application Center」をクリックすると以下の画面になります。
画面一番上のタイトルバーを御覧ください。タイトル名が「Ubuntuソフトウェアセンター」となっています。これが前に説明した「表記・表現の違い」です。「Application Center」は「Ubuntuソフトウェアセンター」です。名前の違いに早めに慣れましょう。
では実際のインストール方法ですが、「Application Center」の右上に「検索欄」がありますので、そこに「AptURL」と入力します。すぐに以下の画面に変わります。
一番右の「インストール」ボタンで直接インストールもできますが、念のため「詳細情報」をクリックします。そうすると以下の画面に変わります。
インストールするソフト名が「AptURL」であることを確認し、右上の「インストール」ボタンをクリックします。以下の画面が現れますのでパスワードを入力し、インストールを完了して下さい。
まずはAdobe Flash Pluginサイトへ
「AptURL」のインストールが完了しましたら、Adobe Flash Player ダウンロードページをブラウザで開いて下さい。
一見すると見慣れたページに進むと思います。しかし、Linux上からアクセスすると、下図のように左下側にプルダウンが現れます。
そのプルダウンから必ず「APT(Debian/Ubuntu)」を選択します。選択し終わりましたら、今度は右下の「今すぐダウンロード」をクリックします。※必ず左側のプルダウンが「APT(Debian/Ubuntu)」であることをご確認下さい。
apt:を「AptURL」で開く
先程の「今すぐダウンロード」をクリックすると、すぐに以下の小さな画面が表示されます。ライブ環境での画面なので、英語表記ですが実際は日本語です。
内容としては「apt:」から始まるリンクを、どのアプリケーションで開くかの確認です。「AptURL」が選択されているのを確認し、右下の「OK」をクリックします。
ちなみに枠外のチェック欄にチェックを付けると、次回以降はこの確認は出なくなります。とは言え今回のように「AptURL」を使うことはほとんどありません。
追加のソフトウェアチャンネルを有効にする
その後以下の画面がポップアップしてきます。びっくりするかも知れませんが、ここは必ず「はい(Y)」をクリックします。
パスワードが求められますので、ご入力下さい。
すぐにキャッシュの更新が始まります。
キャッシュ更新はすぐに終わります。
adobe-flashpluginをインストール
キャッシュ更新の後、以下の画面になります。
文字通り「パッケージ ‘adobe-flashplugin’ をインストールしますか?」の確認です。そのまま「インストール(I)」をクリックします。パスワードをご入力し、インストールを完了させて下さい。
ブラウザ再起動後に反映
「adobe-flashplugin」のインストールが完了しましたら、ご使用ブラウザを再起動して下さい。「プラグイン」の「Flash」のバージョンが「27.0」(執筆時点)になっていれば、最新版のFlashプラグインが正しくインストールされたことになります。
これで「flashplugin-installer」に関する以下の警告は出てこなくなります。
ttf-mscorefonts-installerとは
続いて「ttf-mscorefonts-installer」の警告の解消方法を説明します。

Ubuntuでの警告ですが、文面は同じ 出展:Ubuntu 16.10 その84 - ttf-mscorefonts-installerのインストールに失敗する問題 - kledgeb
ほとんどの方は上の警告は出なかったと思います。
しかし、このエラーの解消方法を通じて、ChaletOSでの「debファイル」の標準的なインストール方法を説明しますので、是非お付き合い下さい。ここでも上述のインストールソフトの表記・表現の相違が関連します。慣れるためにも、ぜひともお付き合いください。
それではまず警告の中にある「ttf-mscorefonts-installer」について説明します。
「ttf-mscorefonts-installer」は「Microsoft's TrueType core fonts」をインストールするためのソフトです。Arial、Georgia、Times等のMicrosoft系フォントをインストールするためのソフトです。Wineを使う方は必ず、解消しないといけないエラーです。
「ttf-mscorefonts-installer」のインストール方法もいくつかあるようですが、今回は私が行ったインストール方法をご案内します。
debファイルはApplication Installerで
その方法とはインターネットから「ttf-mscorefonts-installer」パッケージを直接ダウンロードし、インストールする方法です。
Debian -- パッケージのダウンロードに関する選択 -- ttf-mscorefonts-installer_3.6_all.deb
上記リンクをクリックして頂くと、以下の画面になると思います。
その中のどれか1つリンクをクリックします。ちなみに画面を一番下までスクロールすると、「アジア」があり、その中に「ftp.jp.debian.org/debian」という日本のFTPサーバーもあります。
※もしリンク切れしていましたらGoogle等で「ttf-mscorefonts-installer deb」で検索すると見つかると思います。
debファイルはダウンロード
リンクをクリックすると以下の画面が現れます。「プログラムで開く(O)」と「ファイルを保存する(S)」の2つがあります。基本的にdebファイルの容量は大きめなので「ファイルを保存」します。「ファイルを保存する(S)」にチェックを入れ「OK」をクリックします。
保存先はデフォルトで「/home/(ユーザー名)/Downloads」になっています。ですので「/home/(ユーザー名)/Downloads」を開きます。
とは言え、まだ「ファイルマネージャー」(Thunar)の起動方法について説明していませんでした。これでは「開きます」とお伝えしても、苦労されると思います。ですから先に「ファイルマネージャー」(Thunar)の起動方法について説明します。
ファイルマネージャー(Thunar)の起動方法
「ファイルマネージャー」(Thunar)を起動する方法は3つあります。順番に説明します。
1つ目は単純にデスクトップ下部パネルにあるランチャーをクリックする方法です。
2つ目は「Whisker Menu」の中から「ファイルマネージャー」を起動する方法です。先述のとおりデスクトップ左下の「ChaletOS」ボタンをクリックするとメニューが出てきますので、そこから「ファイルマネージャー」を開く方法です。
もしすぐに見つからなかったら、右側のカテゴリ「お気に入り」を選んで下さい。その中に「ファイルマネージャー」があります。

本当は「アクセサリ」の中にありますが、デフォルトでお気に入りに追加されています
デスクトップのカスタマイズ
最後はデスクトップに「ホームディレクトリ(/home/ユーザー名/)」のアイコンを表示させる方法です。まずデスクトップの何も無い所で右クリックをします。以下のような状態になると思います。
ここで下から2個目の「デスクトップの設定(S)」をクリックします。以下の画面に移ります。
最初は「デスクトップ」の「背景(B)」タブが開きます。ここで壁紙を変えられます。もうWindows7とほとんど変わらないです。壁紙の事は本題ではないので、一番右端の「アイコン(I)」タブをクリックします。以下の画面に変わります。
この画面の一番下に「デフォルトアイコン」という項目があります。ここで「ホーム」にチェックを入れます。ゴミ箱もチェックを入れても良いでしょう。
「ホーム」にチェックが入ったことを確認し「デスクトップ」は「閉じる(C)」で閉じます。
そうするとデスクップに「ホーム」というアイコンが出現します。このアイコンをダブルクリックすることで「ファイルマネージャー」(Thunar)が起動します。
楽なのはパネルにあるランチャーをクリックするか、今説明した方法のどちらかだと思います。
Application Installerでインストール
いずれの方法であっても「ファイルマネージャー」(Thunar)を起動するとデフォルトで「ホームディレクトリ(/home/(ユーザー名)/)」が開きます。
ここで「Downloads」をダブルクリックします。そうすると先ほどダウンロードした拡張子が「.deb」のファイルが見つかると思います。
Ubuntuでは大抵、debファイルは「GDebi」を使ってインストールします。ChaltetOSでも同じく「GDebi」を使います。しかし先に説明した通り、ChaletOSでは「GDebi」のことを「Application Installer」と表記・表現します。
なおChaletOSではデフォルトで「GDebi(=Application Insataller)」はインストール済みです。
しかしだからと言って、debファイルをすぐにインストール出来るわけではありません。やはり「設定」が必要になります。
既定のアプリケーションの変更方法
なぜなら、debファイルと「Application Installer(GDebi)」が関連付いていないからです。そのためdebファイルに対する「既定のアプリケーション」を「Application Installer(GDebi)」に変更する必要があります。
そのためには、debファイルの「プロパティ」画面を開く必要があります。実際には先ほどダウンロードしたdebファイルを右クリックし一番下の「プロパティ(P)」をクリックします。
そうすると以下のプロパティ画面に移ります。
ここで、上から3つ目の「これで開く(O)」のプルダウンをクリックします。その中に「Application Installer」がありますので選択します。
「これで開く(O)」の所が「Application Installer」となっていることを確認しましたら「閉じる(C)」で閉じます。
これだけです。これでdebファイルに対する既定のアプリケーションが「Application Installer」に変わりました。本当に簡単です。これがChaletOS標準のThunar(ファイルマネージャー)の良いところです。
他のディストリビューション標準の「nautilus」だったら、もっと手間が掛かります。ChaletOSは使いやすいんです。
後はダブルクリックするだけ
その後は、先ほどの「ttf-mscorefonts-installer_3.6_all.deb」をダブルクリックするだけです。ダブルクリック後すぐに以下の様な画面になります。
少しすると以下の画面になります。右上の「パッケージをインストール(I)」をクリックします。すぐパスワードが求められますので入力します。
パスワード入力後、インストールが始まります。
以下の画面になりましたらインストール終了です。右上の「☓」で閉じましょう。
※場合によっては「パッケージをインストール(I)」をクリックした直後、以下の警告が出るかも知れません。これは「閉じる(C)」をクリックして下さい。
今後はダブルクリックでインストール可能
これで「ttf-mscorefonts-installer」に関する警告は出なくなります。

Ubuntuでの警告ですが、文面は同じ 出展:Ubuntu 16.10 その84 - ttf-mscorefonts-installerのインストールに失敗する問題 - kledgeb
なおかつdebファイルに対する既定のアプリケーションの変更を行いましたので、今後、ダウンロードしたdebパッケージは、単にダブルクリックするだけでインストール出来るようになりました。
最後にくどいようですが、以下の重要ソフトの表記・表現の違いは早めに覚えてしまいましょう。無駄な苦労をしなくて済みます。
- Ubuntu Software Center → Application Center
- GDebi → Application Installer

「Application Center」が「Ubuntu Software Center」、「Application Installer」が「GDebi」