英語版のサイトを公開。一人暮らしのうつ病、精神障害者への支援が本格スタート

2020年8月7日、「一人暮らしの精神障害者こそ障害年金が必要。オンライン決済を使った募金を開始。ご支援をお願いいたします」を公開。それと同時に、オンライン募金・寄付フォームも公開しました。

実は構想の初期からサイトの英語化(一部のみ)、国際化の準備を行っていました。当初から日本国内での募金・寄付は困難と判断し、活動を始めていたのです。

日本には寄付文化がない

日本人は寄付しません。このことを私は実体験を通じて把握しています。

2010年4月に「資金決済法」が施行されるまでの約4年間、私は「PayPal寄付」を使っていわゆる「Web投げ銭」、カンパを募っていたことがあります。

愛ある募金支援

しかし、結果はゼロ。4年間でゼロでした。

コンテンツの貧弱さが一番の原因だったと思います。しかし、それを差し引いても日本人は全く寄付をしないということを痛感。決して人から教えられたのではありません。実体験を通じ、10数年以上もの前に悟り知った事実なのです。

だけど温かい

ただ一方その数年間、励ましや応援のコメントを頂くことも多々ありました。

本当に感謝の言葉しかありません。多くの勇気や励ましを頂くことができました。そうしたコメントは今でも大切に保存しているぐらいです。

こうした事実も知っているからこそ敢えて宣言します。

日本人は冷淡で、他人に対し全く応援、支援をしないのではありません。ボランティア活動だってします。しかし寄付や金銭的支援に関しては、なぜか非常に消極的なのです。

日本には寄付文化がない。簡単に言えば、この一言に尽きます。しかし「文化・習慣」だからこそ簡単には変えることができないという根深さもあるのです。

社会的地位が好き

近年クラウドファンディング、つまり「不特定多数」の人からの資金を調達する方法が注目を浴びています。しかし、日本ではクラウドファンディングを利用した「寄付行為」については、著名な団体(例:浦和レッズ)や有名人でもない限り相当難しいと思います。

認知度が高くない非営利団体、または個人であれば、別の資金調達が有効だと思います。

なぜなら、日本人には「地位や名誉、肩書を偏重」する習慣があるからです。無意識のうちに、実力や能力といった「中身」よりも、「上辺(うわべ)」の情報(社会的地位、肩書)を評価する傾向があるのです。

例えば同じ品物(中身)ならば、高級百貨店の包装紙(社会的地位)に包まれている事を好む。日本にはそういった特異な文化、価値観が根付いています。

ですから、貴方の活動内容がいかに優れていても、それ(中身)が純粋に高く評価されるとは限りません。むしろ貴方や団体の知名度や社会的地位などの方が評価されてしまう恐れがあるのです。

だからこそ小規模団体、個人事業主は日本でクラウドファンディングで「寄付」を集めることが難しいのです。「少額」×「不特定多数」という構図で言えば、社会的地位が低いがゆえ「不特定多数」からの支援がもらえないのです。

社会的地位や名誉、肩書への偏重

こうしたバイアスがまさにうつ病で中年フリーターの私が自殺しない理由 命さえあればやり直せるはもう嘘かもしれない 最終部で説明しかけていた、日本をダメにしている三大悪慣習の最後の一つなのです。

  • 新卒至上主義
  • 中途採用の超即戦力主義
  • 社会的地位や名誉、肩書への偏重

この習慣が無くならない限り、実力・能力主義の社会にはなれません。この傾向が無くならないから、今も学歴・経歴詐称も無くなりません。

今まさに多くの方が「確かそう言えば」と何人かを思い出してしまうほど、日本ではよく起きる事件です。

真の実力や能力があれば、本来は学歴も経歴も紙くず同然であってほしいものです。

学歴も大好き

1人は東大卒、もう1人は西大卒(仮)。この2人がほぼ同じ内容を発言した場合、東大卒の意見をより信用してしまう。これが日本人の改善すべき思考傾向。実は私達は発言の「中身」や妥当性などを案外見ていないのです。

最近ではこうした学歴への偏愛性向を逆手に取った「東大王」という偏った番組が存在します。それほどまでに、日本人は社会的地位、学歴が大好きなのです。

海外でこの手の番組は成立しないでしょう。(学歴)差別と非難されるのは必至なので。また日本とは入試システムから根本的に違うので、難関大学=天才という簡単な図式にはならないのも理由の一つです。

無名は冷遇される

こうした「社会的地位、名誉、肩書の偏重」の存在についても、誰かに教えられた訳ではありません。やはり十数年前、自らの惨めな実体験をもって、その存在と性質について悟り知ったものなのです。

「PayPal寄付」を利用していた数年間。それは暗黒企業から生還し、多少は心身が癒え、新たな人生を模索していた頃です。20代の終わりから30代の前半。ちなみに暗黒企業(ダークカンパニー)はブラック企業より狡猾で残忍な「脱法企業」のことです。

法律に長けているため、ブラック企業のような下手(犯罪、違法行為)は絶対に犯しません「違法行為」を決して犯さないので、摘発もされない。ニュースにもならない。完全脱法の世界。

そこから(無傷で)生還した者も少ないので、その存在は今でも証明することが困難。

ただ、今でも多少はあるでしょう。闇はいつでも存在する。

2000年代前半〜リーマン・ショックぐらいまではそんな企業、割とありました。

異色の着眼点

奴隷生活の継続、過労死、突然死、それとも生きる延びるか。

私は生き延びる事を選択し、天職であるはずだった住宅設計業界を去りました。しかし退職したとは言え、好きな事からやはり離れたくはないもの。

私はもともと大学では認知心理学を専攻。感覚、知覚心理が専門。それ以外にも聴覚心理学も学ぶ。卒業後に専門学校へ。そして設計事務所へ。建築業界の中では、まず他に例が無い経歴。

しかし、こうした異色の経歴だったからこそ、すぐあることに気付きました。それは、著名な設計事務所でさえも、温熱環境や音環境のデザインといった「住み心地」、室内環境の設計は全くのデタラメ、インチキであるということ。

こうした手抜きは、(認知)心理学を学んだ人でなければ、まず見抜けないでしょう。

(認知)心理学なんて絶対学ばない「工学部卒」や「美大卒」だらけの建築業界

建築家が設計した住宅で、熱すぎる寒すぎる、雨音がうるさい、臭いがするなどのトラブルが多発するのも無理もありません。

可燃ごみか粗大ごみ

異色な経歴だからこそ、見えていた陰の部分。

そこでの見聞や、建築家が犯していた失敗事例を、家づくりを始める人のために公開する。それが「後悔しない家づくり」のためのお手伝いになる。こうした活動を通じて、間接的に住宅設計に関わり続けることもできる。そう推定し、私は建築ライターを目指したのです。

時は2000年代の後半。SNSはおろか。ブログさえさほど定着していない時代。そんな時代、ライターは出版社の力を借りる以外、世に出る方法がありませんでした。

ですから、駆け出しの作家さん漫画家さんが、現在もやっているように私も出版社に「持ち込み」をしようとしたのです。ただ、いきなり「原稿・企画の持ち込み」をするのは大変失礼で迷惑な事。

ですからまずは持ち込みの可否確認も含め、アポを取ることにしました。

人間の不法投棄

ほぼ全ての住宅系出版社に連絡をしたはずです。しかし、開口一番どの出版社も全く同じ質問をしてきました。

どこの大学の方ですか?
失礼ですが役職は?
教授、准教授ですか?

正直に「実はフリーランスで活動してまして…」と伝えると、「持ち込み受け付けてません」と言われガッチャン。プーッ、ツーッ、ツーッ、ツーッ。

悔しさや
終年消えぬリフレイン

日本では、無名や社会的地位・信頼の低い者は、まるで人として扱われません。ごみとして放り投げられます。

マネキンカラー
unsplash-logoEdu Lauton

こうして未来が閉ざされた頃、リーマン・ショックと悪夢の三年に襲われる。もう全く希望が見出だせなくなり、2010年にうつ病が発症。

そして現在では、立派な精神障害者(3級)。

しかも、一人暮らしというだけで障害年金が不支給になるという理不尽な制度改悪にも巻き込まれる。

相対的貧困。食う物にさえ困る。そのため病気の様子をうかがいながら、不本意非正規労働で命と住まいだけを維持する。不健康で非文化的な「最低の生活」。無理は1年も続かず、病気が再燃する。

やはり暗黒企業から無傷で生還することは不可能だったんですね。

努力は自分の首を締める

ちなみに、今無名(名前がまだない)で苦労している若者は、ぜひとも積極的にコネを作って下さい。私もコネを利用し、1社だけ編集者と面談することができました。

日本では悔しいですが、実力・能力だけでは成就しません。社会的地位、名誉そして、。少なくともどれか1つは必要です。

それらが無いのであればコネを作るしかありません。実力の研鑽も確かに大事です。しかし、それだけでは成功しません。

「努力は必ず報われる」。一握りの成功者が吹聴した「まやかし」はあくまで「個人の見解」に過ぎません。ですから「努力中毒」に絶対にならないで下さい。没入する時間があったら、ぜひ外の世界に目を向け、コネを作って下さい。道が広がる可能性は高まると思います。きっと。

見知らぬ人を助けない国

社会的地位、信頼の薄い者への冷たさや排他性は、イギリスのチャリティー団体Charities Aid Foundation(CAF)が2018年に行った調査からも伺い知れます。

この調査によると、直近1ヶ月内に「困っている見知らぬ他者への手助け」を行った人の順位は、144ヶ国中142位でした。つまりワースト2位でした。

このグラフを作成した時、私は何度も大きくうなずきました。同時に出版社に一方的に電話を切られた時のあの冷たい情景が、まるで今の出来事のように鮮やかに蘇ったのです。

実際に日本人に助けられなかった無名(だった)の人には、このグラフが示す事がすぐに分かるはず。

それは、日本人は見知らぬ他者、社会的地位・信頼が低い者、無名の者には尋常じゃなく排他的だということです。

 

一方、一度、社会的信頼が得られれば、日本人本来の優しさ、親切さが見知らぬ人にも余すことなく適用されるようになるのです。そのきっかけの1つが肩書、経歴といった社会地位になるのです。だからコネが必要なのです。

ツンデレと言えばそうでしょうが、ツンが人権侵害に値するほど激しく、度を越すほど排他的なのです。

寄付しない先進国

日本人は寄付をしない。この事も同じ調査から分かります。直近1ヶ月以内に慈善団体に寄付した者の順位は144カ国中99位でした。やはりこちらも順位が低いです。

G7、主要7ヶ国の中では最下位に当たります。ロシアを加えた昔のG8という枠組みであっても最下位です。

日本の順位(99位)は BRICS(Brazil, Russia, India, China, and South Africa)、新興5大国と大体同じくらいの順位です。

  • ブラジル:112位
  • ロシア:86位
  • インド:89位
  • 中国:113位
  • 南アフリカ共和国:100位

寄付文化という面では、日本はまだ先進国とは言えないようです。

ただし、寄付行為は他の慈善活動より事情が複雑。国柄、文化・風習の影響がかなり強く出るようです。ですから単に所得が高い国が寄付をするという訳でもないようです。実際、低中所得国に分類されるインドネシアが、寄付の順位が2位だったりもします。

とても複雑な要素が絡み合った文化だと思います。ご興味がある方はCAF World Giving Index 2018 | Research into global giving behaviourの報告をぜひご覧下さい。英語版のみで全44ページです。日本語訳はありません。

英語版サイトの公開の理由

こうした客観的データと自身の経験から「日本での寄付・募金は、ほぼゼロ」であると、早い段階から諦めていたのです。

とは言え、私達、一人暮らしの精神障害者の貧困は、自分たちの力では打開できません。制度改定が原因だからです。

2016年9月1日、こっそりと「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」が施行されました

その結果、精神障害者(と知的障害者)に対してだけ、障害年金の審査基準がかなり厳しく、理不尽になったのです。

それ以降、病状の深刻さや、社会生活の困難さといった本質は完全に無視。

そのかわり申請者の「日常生活能力」という意味不明な論点だけで審査がされるようになったのです。この「日常生活能力」の評価方法は算数レベルの点数評価。

「日常生活能力」による判定とは例えば、食事、洗髪、入浴、買い物などが一人でできるかどうかどうかという判定。随分舐められたもんです。

こうした活動が一人で出来てしまうと、点数が低くなってしまい、障害年金が支給されなくなるのです。

日常生活能力の判定

一人暮らしの精神障害者は、こんな簡単な作業は一人でできます。障害の程度なんて関係ありません。

同居者が居ないので、できる、できないなんて全く関係なく、一人でこうした活動を行わざるを得ないからです。そうでなければとっくの昔に餓死しています

全くもって的外れな制度改悪。このため現在、一人暮らしの精神障害者は、障害年金を受給することが不可能になってしまったのです。

一人暮らし・ショック

2008年にリーマン・ショックという「世界的な経済危機」がありました。

しかし実は日本国内では、その8年後2016年9月1日以降「一人暮らしの精神障害者」だけを苦しめている大不況があるのです

それがリビング・アローン・クライシス(一人暮らし・ショック)です。

一人暮らしであれば無条件に障害年金が不支給または減額となる「経済制裁」のことです。ただ制裁の対象となる悪事は全くしていないので、正しくは「迫害」でしょう。

その経済損失額は、年収ベースで「最低でも」60万円〜72万円。月額だと5万円〜6万円にも登ります。リーマン・ショックよりも甚大な被害。

新型コロナウイルスによる「世紀の大不況」であっても日本人の年収減は38万程度。

我々は、その1.5倍以上の経済制裁に苦しんでいるのです。

コロナでGDP年率27.8%減 平均給与38万円ダウンの懸念(女性自身) - Yahoo!ニュース

こうして比べてみることで我々、一人暮らしの精神障害者が、いかに経済的に困窮しているか、そして虐げられているかが、容易に想像できると思います。

月給が5万円も減額された場合を想像して下さい。また年収が72万円も下がったことを想像して下さい。今まで通りの生活が維持できますか?

私達、一人暮らしの精神障害者は2016年9月1日以降、ずっとこうした不況、迫害、貧困にあえいでいるのです。

これを迫害、人権侵害と言わずして何と言うのでしょう。

少しでも広く知ってもらうため

公的支援制度が無秩序に陥ってしまい、今では経済的迫害を受けてしまっている。だからこそ、私は民間支援、つまり募金、寄付を募っているのです。

しかし、国内からの寄付はまず無いでしょう。ですから英語版をサイト公開する。そのことで海外からの寄付も受け付けようとしたのです。

とは言え、海外の方であっても無名の日本人に対して、そう簡単に寄付するとも思っていません。

ですから、サイトを国際化する一番の狙いは、寄付ではありません。国の枠を超え多くの人に私達の現状を知ってもらう事にあるのです。

学歴と男と女

最後にこぼれ話。私はとにかく学歴、肩書といったものが大嫌いです。ですから、自分から自身の学歴を話すことは一切ありません。

しかし実は日本人の「学歴偏愛」についても苦い経験があります。関連するので今回だけは言います。ワーキングプア、精神障害者である筆者も実は、The University of Tokyo の卒業生です。学部は違いますが菊川怜さんと同じ学年です。

学生時代、生活費の足しにアルバイトをしていた時、他の女性バイトの方に、「どこの大学に通っているんですか」とよく聞かれました。

仕方ないので「The University of Tokyo」と答えると、その瞬間、突然彼女らの目が1.2倍くらい大きくなったのです。瞳孔も開き気味なり、肌の透明感もアップしたのです。

「妖怪だ。」

それ以降、彼女らは私に手のひらを返したようにフレンドリーに。態度さえ急変してしまう。私はその容姿と態度の急変が怖すぎて、彼女らと全く距離を縮めることは出来ませんでした。

年齢・性別を問わず、学歴で態度を変える人は本当に苦手です。

でも日本にはそういった人が多いのです。そのことを20代〜30代を嫌と言うほど経験してきました。でも、もうちょっと柔軟に生きていたら、こんな憂き目にあっていなかったのかも知れません。

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