前回の記事では、ChaletOSのLive USBを作るにはUNetbootinがお勧めと説明しました。早速ChaletOSをお試し頂き、お気に召しましたら本番のインストールをされると思います。
また、紛らわしい名前のアプリケーションも1つあります。そのアプリケーションも場合によっては早めに削除した方が良いと思います。今回はそれぞれについて説明をしたいと思います。
What is new in ChaletOSはすぐ削除
まず、すぐに削除すべきアプリケーションについてです。それは「What is new in ChaletOS」というアプリケーション(デスクトップエントリー)です。アイコンは以下のような地球型のものです。
中身は単なるPresentation – ChaletOSというWebページへのショートカットです。


ですが、このアプリケーションは、一回も起動せず、すぐ削除して下さい。あるバグが起こる危険性があるからです。
http://、https://と関連付いてしまう
そのバグとは、ブラウザ以外のソフト、例えばメールソフト等に記載されたURLリンクをクリックすると、目的のページではなく、かわりにPresentation – ChaletOSが開いてしまうという不具合です。
例えば、以下の様にThunderbirdで受信したメールの中のリンクをクリックすると、見たかったページではなくPresentation – ChaletOSがかわりに開いてしまうのです。リンクが乗っ取られてしまうのです。



但し、リンクにtarget=”_blank”やtarget=”_new”という属性が指定されている場合は、リンク先が正しく表示されました。
ちょっと話はそれますが、上記メールに載っている「エンバーロ」は大名盤です。テノーリオ・ジュニオルは無実の罪で「虐殺」された天才ピアニスト。本当に残念です。
きっかけはMidori
ChaletOSインストール後、1ヶ月半ぐらいは上記の症状が続いていました。ですから、外部ソフトに記載されたリンクは、いちいち「リンクのURLをコピー」してブラウザのアドレス欄に貼り付けていました。

とても面倒でした。それでも他に解決すべき問題があったので、この問題は先送りしていました。
諸々の問題が解決し、余裕が出始めた頃、ChaletOSでのサブブラウザを探すようになりました。そこで、軽いと定評だったので「Midori · A lightweight, fast, and free web browser」をインストールしてみました。
What is new in ChaletOSが関連付いていた
インストールしてすぐに「設定」を開きました。中に「File Types」というタブがあったので、何気なく開いてみました。

そこで、今までの不具合の原因が分かりました。http://とhttps://の両方とも、関連付けられたアプリケーションが「What is new in ChaletOS」になっていたのです。

http://とhttps://のそれぞれの項目をダブルクリックし、「What is new in ChaletOS」→「Firefox」へ変更したところ、それ以降、URLリンクがPresentation – ChaletOSに乗っ取られる現象は解消されました。
単なる事故だと思います
「What is new in ChaletOS」の中身はただ単にFirefoxでPresentation – ChaletOSを開くというスクリプトです。
ChaletOSの作者(Dejan Petrovic氏)には、このアプリケーションを使って、URLリンクを全て乗っ取っとろうという悪意は全くないと思います。

ただどういったタイミング、理由でこのバグが発生したか、今のところ私も分かりません。
原因か不明なのです。ですから貴方の環境でも、このバグが発生しないとは断言できません。安全のためにChaletOSの本番インストールをしたらすぐに「What is new in ChaletOS」は削除しましょう。単なるリンクですし、無くても何の支障もありません。
ChaletOSではApplication Centerと呼ぶ
ChaletOS 16.04.2はUbuntu 16.04 LTS派生のOSです。ですから、ほとんどのことはUbuntu 16.04 LTSの情報を参照すれば解決出来ます。少しだけ困ったことがあります。
それはChaletOSでは、ユーザーにとって最も大事である、ソフトウェアインストール用の2大ソフトが本家Ubuntuと表記・表現が異なっていることです。
- Ubuntu Software Center → Application Center
- GDebi → Application Installer

Get AppGrid(Software Center)はUbuntu Software Centerではない
最初はこの違いが分からなかったため、「Ubuntu Software Center」(つまりChaletOSの「Application Center」)の起動方法が分かりませんでした。
そこでデスクトップにあった「Get AppGrid(Software Center)」が「Ubuntu Software Center」のことだと思いダブルクリックしました。
Firefoxが起動し、以下のページに遷移しました。
訳がわからなかったのでとりあえず、「Download App Grid for Ubuntu 16.04+」をクリックしました。
結果インストールが始まり「App Grid」というものが起動しました。

「App Grid」も「Ubuntu Software Center」と同じく、ソフトの検索とインストールや管理をするソフトです。しかし、はっきり言って激しく使いづらいと感じました。なぜなら「App Grid」には以下のような癖があるからです。
- ソフトウェアの表示がグリッド形式
- 横スクロールで情報を検索する
- それなのにスクロールバーが無い
App Gridは巻物形式で使いづらい
特に縦でなく、横スクロールで情報を探していくのは本当に使いにくいです。今自分が何ページ目辺りを見ているのかが分からなくなるのです。以下の動画を見て頂けるとイメージし易いと思います。0:57以降を御覧ください。また変わったBGMが流れますので、ミュート状態での再生をお勧めします。
これに対して「Ubuntu Software Center」(=Application Center)の画面は以下のようになっています。
確かに「App Grid」のような派手さは無いです。それでもソフト名とスター評価、簡単な説明の必要な情報は一目で分かります。確かにグリッド表示の方が良いという方もいるかも知れません。しかし使いづらい理由は表示方法の差にはありません。
スクロールバーの有無が大事
「Ubuntu Software Center」(=Application Center)は縦スクロールなので、右側にスクロールバーが現れます。スクロールバーを目安にあとどのぐらいソフトが表示されるのかなどの推測が出来ます。
「App Grid」の最大の欠点は、横スクロール(巻物形式)なのに「スクロールバー」が無い事です。ですから、自分が何ページ目ぐらいを見ているか分からず、情報の森に埋もれ遭難してしまいます。本当に自分がどの辺りのページを見ているか分からなくなります。特に一旦ソフトの詳細ページに進んで、またソフト一覧に戻った時に、迷子になりやすいです。

Application Centerは重くない
「App Grid」は「Ubuntu Software Center」(=Application Center)に比べ視認性が高く、軽いということがメリットだと謳っています。
しかし、個人的には「Ubuntu Software Center」(=Application Center)が遅いとは感じていません。これはChaletOSのデスクトップ環境が「GNOME」でなく「Xfce」だからなのかもしれません。

ただソフトの「詳細情報」ページ右にあるスクリーンショットの表示には確かに、えらい時間が掛かります。しかし、スクリーンショットの表示されるのを待つ間に「開発者のウェブサイト」というリンクを辿るか、リンクがなければ、そのソフトについてgoogle等で調べます。
一通り調べ終われば、スクリーンショットが表示されていようがいまいがもう関係はありません。開発者のページでスクリーンショットは見終わっていますし、他所のサイトでより多くの情報を得ているので。そういう意味でも、あまり不便は感じません。
後でインストールすれば良い
確かに好みはあると思います。しかし、繰り返しですがChaletOSでは「Application Center」=「Ubuntu Software Center」は決して重くはありません。ですからそんなに不便は感じないと思います。
ですのでまずは基本の「Application Center」(=Ubuntu Software Center)を使ってみて、何か不満や不便を感じ出したら「App Grid」を試すという算段で良いと思います。
ちなみにApp Grid – your alternative to the Ubuntu Software Centerからdebファイルを入手し、Application Installer(=GDebi Gtk)を使ってインストールすれば、後からでも「App Grid」はインストールできます。
はっきり言って、デスクトップ上にある「Get APPGrid(Software Center)」は表記が紛らわしいです。「Ubuntu Software Center」と間違いやすいです。また、デスクトップ上に余計なスペースをとりますので、早めに削除しても良いと思います。
中身は単なるApp Grid – your alternative to the Ubuntu Software Centerへのリンクですし。削除しても全く支障はありません。

以上2つのアプリケーションについて説明しました。「Get AppGrid」については好みがあると思うので必ず削除すべきとは言いません。しかし、バグ回避のためにも「What is new in ChaletOS」はインストール後、すぐに削除しましょう。