ChaletOSの「ファイルマネージャー」の正式なアプリケーション名は「Thunar」と言います。
ChaletOSをインストールした直後の「Thunar」は、上のような状態だと思います。
非常にシンプルですっきりしています。しかし、このままでは他の多くのディストリビューションで採用されている「nautilus」よりも不便かもしれません。
カスタマイズ性に優れているThunar
とは言え、「nautilus」と「Thunar」には大きな違いがあります。それは「カスタマイズ性」です。その代表例が「カスタムアクション」です。具体的な「カスタムアクション」の設定については文量の都合上、次回以降で説明します。
今回は、まず「Thunar」の基本的な使い方や設定について説明したいと思います。
サイドペインにショートカットを追加する方法
説明のためもう一度、デフォルトの「Thunar」を掲示します。
「Thunar」の左側に「デバイス」、「場所」、「ネットワーク」と表示されている縦長の部分があります。ここを「サイドペイン」と言います。初期状態ではサイドペインのショートカットが「ホーム」、「Desktop」、「ゴミ箱」の3種類しかありません。これでは使い勝手が良くはありません。
しかし、ショートカットは簡単に追加できます。方法は2種類あります。
右クリックで追加する
最初の方法は、サイドペインに追加したいディレクトリの上で右クリックをする方法です。
右クリックメニューの中に「送る(S)」があります。さらにその中に「サイドペイン(ショートカットの作成)」という項目がありますので、クリックします。
すぐに希望のディレクトリ(今回は「Documents」)がサイドペインに追加されました。とても簡単です。
直接ドラッグも可能
もう1つの方法は、サイドペインに追加したいディレクトリを選択し、そのままサイドペインにドラッグする方法です。
この方法でもちゃんと、サイドペインに希望のディレクトリ(今回は「Downloads」)が追加出来ました。
ドラッグで順序の変更も可能
上記2つの方法で追加したサイドペインのショートカットですが、いつでも順番の入れ替えが出来ます。
方法は非常に簡単です。サイドペイン上で順番を入れ替えたいショートカットをドラッグし、希望の所まで移動させるだけです。こうした機能だけでも「Thunar」はとても柔軟でカスタマイズ性に富んでいる事が、何となくご理解頂けたと思います。
ちなみにサイドペインのショートカットは、いつでも削除できます。まずは削除したいショートカットの上で右クリックをします。メニューの中の下から2番目の「ショートカットの削除(R)」で削除が出来ます。
誤って意図しないディレクトリをサイドペインに追加してしまった場合などでも、安心して対応できます。
隠しディレクトリも追加できる
さらに便利な点は、隠しディレクトリもサイドペインに追加出来ることです。手順は通常のディレクトリと同じです。その前に復習ですが、隠しディレクトリ、隠しファイルの表示方法は「Ctrl+H」のショートカットキーで表示するのが楽です。
今回は「.wine」をサイドペインに追加してみます。
実際にサイドペインに追加されたことが分かります。このようにしてサイドペインのショートカットをカスタマイズしていくことで、かなり「Thunar」が使いやすくなると思います。
※表示した隠しディレクトリ、隠しファイルは同じく「Ctrl+H」のショートカットキーで非表示にできます。
3つの表示方法
Thunarには3つのディレクトリ表示方法があります。
- アイコン表示(Ctrl+1)
- 詳細リスト表示(Ctrl+2)
- コンパクト表示(Ctrl+3)
表示方法を切り替えるには、上図の様にメニューバーの「表示(V)」を選択し、目的の表示方法を選択する方法もあります。しかし、それぞれの表示方法の右側に記載したショートカット(Ctrl+数字)を使う方が速くて楽です。
デフォルトは「アイコン表示(Ctrl+1)」になっています。もちろん、画像はサムネイル表示です。
詳細リスト表示の日付スタイルの変更方法
次に詳細リスト表示にしてみます。ショートカット「Ctrl+2」で表示します。以下のように表示が切り替わります。

上の図を一番右端「変更日時」の列を御覧ください。「詳細リスト表示」なのに初期状態では、変更日時の形式が、今日、昨日、火曜日などと「ざっくりした表示」になっています。多分多くの方が、この日付スタイルに抵抗があると思います。ですので変更方法をお伝えします。
まずはメニューバーの「編集(E)」をクリックし、一番下の「設定(E)」をクリックします。以下の「ファイルマネージャーの設定」画面がポップアップしてきます。
画面の一番下にある「日付」の「形式(F)」のプルダウンをクリックします。プルダウンの中から、お好きな日付スタイルを選択します。今回は一番下の日付スタイル選択しました。選択し終わりましたら「閉じる(C)」で閉じます。
詳細リストの画面に戻ります。今度は「変更日時」がより「詳細」に表示されていると思います。
コンパクト表示は不要?
最後にコンパクト表示に切り替えてみます。ショートカットは「Ctrl+3」です。
シュールです。私は使ったことがありません。ですので特段説明はしません。
新しいウィンドウ(Ctrl+N)キーも覚えましょう
ChaletOSには「Thunar」以外にも「Double Commander」という「2画面ファイラー」が標準でインストールされています。
少し話は逸れますが、Linuxの2画面ファイラーはどれも扱いにくいと思います。試せるものは全部試しました。しかし「Double Commander」がやはり一番使いやすくて「奥が深い」と思いました。それでも使い方をマスターするのに相当時間は掛かると思います。
2画面ファイラーを自由自在に扱えるようになるまでは、「Thunar」のウィンドウを複数起動して、相互にファイルのやり取りをする事が多いと思います。
その際便利なショートカットが「Ctrl+N」です。これは現在のディレクトリを新しいウィンドウを開くためのショートカットキーです。
恐らく、最初のうちは多用されると思います。
新しいタブ(Ctrl+T)
「Thunar」は実はタブ表示が可能です。でも私は1回も使ったことはありません。画面が有効活用出来ない気がして、どうも苦手です。
ただタブ表示が好きな方もいらっしゃると思います。そうした方は「Ctrl+T」というショートカットキーがあります。現在のディレクトリを新しいタブで開くためのショートカットキーです。
以上が「Thunar」の基本的な使い方と設定の説明です。サイドペインのショートカットを手動で追加しないといけない点など、多少手間な部分はありますが、非常にカスタマイズ性に富んだ優秀なファイルマネージャーだと思います。
「Thunar」(とDouble Commander)を使っているとChaletOSを選んで本当に良かったと思います。しかし、「Thunar」には「カスタムアクション」というもっと便利な機能があります。しかし文量の都合上、次回以降で説明することにします。その前に「Thunar」の基本的な使い方について説明をしました。