前回の記事でも紹介したとおり、アクセス解析ツールAWStatsには、以下のようなメリットがあります。
- 「一目瞭然」の見やすさ、分かりやすさ
- 軽い
- 過不足のない機能
- 無駄な画面遷移の必要なし
- 「超」高機能Google Analyticsのようにイチイチ画面遷移をする必要なし
「一目瞭然」の分かりやすさと「軽さ」を備える快適なアクセス解析ツールです。
■デモサイト ←こちらからぜひ一度お試し下さい。
インストールは多少面倒
しかし、現在主流のGoogle Analyticsの「設置が手軽」、「超」高機能という2点にはどうしてもかないません。AWStatsはCGIです。ですからサーバーにインストールする必要があるのです。そのインストールと設定は確かに楽でありません。
しかし、Google Analyticsの方は、AWStatsに比べ解析結果が分かりにくい、見づらいといった欠点もあると思います。決して「一目瞭然」で解析結果が得られるツールではないと言えます。画面の切替も決してサクサク進むわけでもありません。AWStastに比べて重いのも事実でしょう。
またその「超」高機能を生かし切れないでいる人もたくさんいると思います。それが証拠に、単なるアクセス解析ツールなのに参考本まで売られているのです。
使いこなすのに参考本が要る?!「違和感」のようなものを感じるのは私だけなのでしょうか?
どこで苦労するかの違い
Google Analyticsは、確かにトラッキングコードを貼り付けるだけで利用可能。とても簡単。しかし、その後、独特のインターフェイスに慣れるのに人によっては苦労するでしょう。いわば後半苦労型です。
正反対に、AWStataはサーバーへのインストールと設定に多少の面倒さが必要です。いわば前半苦労型です。しかし、苦労するのは初期設定の所だけ。その後、ほとんど苦労することはありません。
格差社会と化した現代の日本とは違って「苦労や努力は報われる」のです。
結局、両者の違いはどこで苦労するかの違いであると言っても良いと思います。
幸い参考サイトはある
初期設定の労苦を避けて、使いにくくて(と私は思う)「超」高機能なGoogle Analyticsを使い続けるのも確かにひとつです。しかし、前回の記事でも紹介したとおりAWStatsのインストールに関しては、以下のサイトがとても参考になります。
特にさくらのレンタルサーバーユーザーであれば、上記サイト参考にすることで、比較的簡単にAWStatsを使い始めることはできます。
ただし上記サイトは古いので、前回の記事で紹介した「インストール時の注意点」もぜひご参照下さい。
.htaccessの設定
また、前回書き忘れましたが、レンタルサーバー利用者の場合、AWStatsの本体ファイル「awstats.pl」を動作させるためには、以下のように記述した.htaccessファイルを作り「awstats.pl」と同階層に設置する必要があります。
※.htaccessの中身
※.htaccessファイルの最後には「空行」を必ず入れます。

VPSユーザーの場合は、httpd.confファイルにて同様の設定をし、PerlスクリプトをCGIとして動かすよう設定する方法もあります。VPSユーザーであれば、その辺の設定は難なく設定できるとは思います。
標準的なインストールのデメリット
前述の2サイトを参考にすることで、確かにAWStatsは比較的容易に、インストールが出来ます。これ以降、前述の2サイト参考にしたインストールを「標準的なインストール」とします。
この標準的なインストールには、1つだけウィークポイントがあります。それは、AWStatsが参照する「履歴データベース(history database)」が、AWStatsインストールディレクトリに山のように溜まってしまうという点です。

履歴データベース(history database)とは
AWStatsはアクセス解析の結果を月ごとにテキストファイルで保存します。
■ドメイン名がexample.comの場合
awstats月2桁年4桁.example.com.txt
■例:今年の6月のアクセス解析結果なら
awstats062016.example.com.txt となる。
過去日のアクセス結果などは、この履歴データベースファイルを参照しています。とても重要なファイルです。月ごとにこの履歴データベースが作られるということは、1年間で12個、2年だと24個、3年だと36個と多くのデータベースファイルが作成されます。標準的なインストールの場合、それらが、AWStatsインストールディレクトリに、ただただ機械的に保存されていきます。
その結果、インストールディレクトリの中身が煩雑になります。
DirDataオプションで整理整頓
この点は気にならない人もいるだろうと思います。しかし、「データベースファイルは別ディレクトリへ保存したい」、「整理整頓したい」という方向けの設定があります。それが「DirData」オプションです。
以降、さくらのレンタルサーバーにて以下のアカウント名、ドメイン名で運用した場合を例として説明させていただきます。
- アカウント名:example
- ドメイン名:example.com
- 設定ファイル名:awstats.example.com.conf
データ保存用ディレクトリは755で
「DirData」オプションを使う場合も、インストール方法は、標準的なインストール方法とほとんど変わりありません。つまり下記サイトを参考にしたインストール方法とほとんど同じです。
ですから初期のディレクトリ構成は以下のようになるはずです。

DirDataオプションを活用する目的は、山積していく履歴データベースファイルを別のディレクトリに保存し整理することにあります。ですから、まずは履歴データベースファイルの保存用のディレクトリを作成します。今回はそれを「data」とします。そしてAWStats本体と同階層に作成したとします。
ここで重要なのが、この「data」ディレクトリのパーミッション。「755」にしておかないとエラーが出ますのでご注意下さい。
DirDataオプションの設定
次に設定ファイル「awstats.example.com.conf」の編集を行います。
設定ファイル内の218行目辺りに以下のような記述があります。
これだとAWStats本体のファイルと同じ場所に履歴データベースがどんどん機械的に保存されてしまいます。ですから以下のように書き換えます。
※example=あなたのさくらアカウント名に置き換えてください
つまり先ほど作ったデータ保存用ディレクトリへのフルパスを記述します。相対パスでも大丈夫かもしれませんが、私の場合はなかなかうまく行かなかったので、絶対パスでの指定を推奨します。
urlaliasbuilder.plの設定
「urlaliasbuilder.pl」とは、タイトル名取得用プラグインです。前述の参考サイトでもこのプラグインの使用方法については説明がされています。
補足で説明すると、このプラグインを使用しないと、ただ単に各URLに対してアクセスが解析されるだけです。

しかし、このプラグインを有効にすると、各URLの上にページタイトルも表示されるようになります。分かりやすさが飛躍的に向上します。

urlaliasbuilder.plもdataフォルダへ
DirDataオプションを使ってデータを整理する場合、urlaliasbuilder.pl本体の29行目にぐらいにある以下の項目を修正しないとうまく動作しません。
↓
my $awStatsDataDir = “/home/example(=さくらのアカウント名)/www/awstats/data“;
その上で「urlaliasbuilder.pl」本体もdataディレクトリに移動します。そうしないとうまく動作しません。
すでにAWStatsを運用している場合
すでに標準的なインストール方法でAWStatsを稼働させている場合、今までの「履歴データベース」ファイルと、各URLに対応するタイトル名まとめた「urlalias.example.com(=あなたのドメイン名).txt」というファイルが存在するはずです。


そうすることで、今までのアクセス解析結果も引き継ぐことができます。
「一目瞭然」の分かりやすさと「軽さ」を持つAWStats。ユーザー数が減っているせいか、意外とこの「DirData」オプションの便利さが知られていないので、今回その設定について説明してみました。
別に必須の設定項目ではありません。しかもサイト訪問者には何の影響も関係もない設定です。単にサイト運営者個人の意識の問題です。
目に見えない設定ですが重要
しかし、見えない設定だからといって、実行ファイルとデータファイルは分けて保存する整理整頓の習慣は重要だと思います。
なんでそう痛感したか。それは「モヤモヤさまぁ~ず」7月16日の放送で、すごく魅力的だなと感じていた狩野恵里アナのデスクが、めちゃくちゃ汚いのを見たからです。すごく引いてしまいました。せっかくの好感度も10分の1ぐらいに減少しました。「幻滅」、「百年の恋」とはこのことです。


この【衝撃映像】を見て意気消沈した私は、多分、AWStats同士で履歴データベースファイルが山のように溜まっているをストレスとして感じている人もいるだろうと思い、今回の記事を書きました。それが本当の悲しい経緯です。
狩野さんそのデスク、ヤバすぎですよ。